悲しき詩 | ナノ




07



――コンコン


「…はい、」

「入るぞ」


伺いを立てることなく当たり前のようにドアを開けたリボーン


「す、すみません…」


なぜ俺が、と思いつつもなんとなく代わりに謝るツナ

ベッドで座った状態でいたアレンは少しだけ驚きはしたものの、笑みを浮かべて首を振った


「いえ、気にしないでください。どうぞ、」


その言葉に促され、部屋に入るツナ

ガチャリと、カギが締められた音がはじまりだった


「まず自己紹介しておく。俺の名前はリボーン。そこの沢田綱吉の家庭教師でもあり、殺し屋(ヒットマン)だ」


そう言って愛銃を取り出す


「俺はダメツナをマフィアのボンゴレファミリーの立派なボスにするためにイタリアから派遣された」

「わ、分かりましたからソレ…しまってもらえますか…」


ソレ(銃)見てると師匠を思い出すんです、と呟くアレンの目はここではないどこかを見ていてあまり良い思い出ではなさそうだ


「ありがとうございます…えっと、僕はアレン・ウォーカー。まず、傷の手当て、ありがとうございます。えっと…僕たちのことどれくらい彼女から聞いているのか分からないですが…彼女と同じ、エクソシストです。この地には任務で来ました」

「大まかな話は愛結から聞いているからいいぞ。任務と言うのはあの赤髪の男や黒髪の女たちとか」

「えぇ、他にも何名か仲間はいますが…」

「……"ユミ"って人も、ですか」


ツナがその名前を口にしたとき、僅かにアレンの体が強張った


「…えぇ、ユミもいます」

「あ、あの!アレンさんは愛結ちゃんのことどう思ってるんですか?」


これだけは絶対に聞かなくてはならないとずっと思っていたことをツナは口にする


「俺、教団で起こったこととか愛結ちゃんから大まかにしか聞いてないけど、愛結ちゃんが酷い目に合ってたってことは知ってます…アレンさんは、愛結ちゃんのこと信じてくれるんですか…?」


目の前にいるアレンも、かつては愛結を疑い、嫌い、傷つけただろう

もし今でも愛結のことを信じられないというのなら、自分と彼の進む道は交わることはない

直感で初めて会った時と今では違う、とは思ったが、やはり言葉で聞かないと不安だった

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