早朝発見



次の日の朝。

儂がいつものように寝巻きの着流しのまま食堂に向かうと、人が賑わっていた。
確かに、いつも今の時間帯は生徒が一番多くて混雑する時間。
昨日は疲れていてついつい寝坊してしまったのだが、いくら何でもこの騒ぎは一体……


「……何事じゃ?」















「「「あ、秋椰さん!」」」


どこからともなく聞こえてくる、少年たちの声。
振り返ると、そこには一年は組の乱太郎、きり丸、しんべヱの三人組が座っていた。


「ああ、おはよう、乱きりしん」

「おはようございます!って、略さないでくださいよ…!」

「ふむ、すまぬな乱太郎」

「秋椰さんも今からご飯ですか〜?」

「おお、しんべヱ。相変わらずすごい量の朝餉じゃのう。
不甲斐無いのじゃが今日はちと寝坊してしもうて…………して、この騒ぎは一体なんじゃ?」

「天女様っスよ」

「天女お?」


謝りながら乱太郎の頭を撫で、しんべヱの質問に答えていると、儂の疑問にいち早く答えたのはきり丸。
ガツガツと大盛りの朝餉を食べるしんべヱとは反対に、きり丸は全くと言って良いほどに手をつけていない。
……食欲が無いのだろうか?


「あれ、秋椰さん、天女様に会ってないんですか?」

「うむ、儂は昨日は学園におらんでのう。学園長と半助から少しの話しか聞いておらぬのじゃよ」

「秋椰さん、あの中心見えます?あれっスよ」


きり丸が指差す方向を見ると、そこには主に上級生で出来た人だかり。










その真ん中に、確かに見覚えのない顔が見えた気がした。








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