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―――真選組屯所
真夜中、今真選組屯所の広間では怪談が行われていた。
そこに凛は参加しておらず、その間にお風呂に入っていた。風呂上がりに、廊下を歩いていると。
「死ねぇ〜死ねよ〜土方〜お前頼むから死んでくれよぉ〜」
と聞こえてきた。すると突然目の前の障子が開き、土方が出てきた。彼の目の前には、蝋燭をさした沖田がいた。
「…何してんだ。てめーこんな時間に」
「ジョ…ジョギング」
乾いた笑みを浮かべながら分かり切った答えを聞く土方に沖田は苦しい言い訳をした。
「総悟くん、夜中に鍛錬してるのえらいわね。」
そう言い、凛は素直に沖田を褒めた。
「ウソつくんじゃねェ!篠崎もよ騙されんな!!!そん格好で走ったら頭、火だるまになるわ!!儀式だろ?俺を抹殺する儀式を開いてただろ!!」
「自意識過剰な人だ。そんなんじゃノイローゼになりますぜ。」
2人のそんな様子にキレた土方を沖田が更に煽る。
「何を…!!」
土方は何か見えた気がし、その方向に目を向けるが何もなかった。
「篠崎、総悟。今あそこに何か見えなかったか…」
「いいえ、何にも…」
「ええ…。」
土方は沖田と凛にも確認をとるが、2人は揃って否定した。
「ぎゃぁぁぁぁあ!!」
突如、屯所で悲鳴が響き渡った。
―――
「ひでーなオイ。これで何人目だ?」
「18人目です」
土方の言葉に凛は隊士たちを介抱しながら答えた。
「隊士の半分以上がやられちまったわけですね。さすがにここまでくると薄気味ワリーや」
「冗談じゃねーぞ。天下の真選組が幽霊にやられてみんな寝込んじまっただなんて。恥ずかしくて、どこにも口外できんよ。情けねェ」
沖田の言葉に土方はもどかしそうに言った。
「トシ!俺は違うぞ!マヨネーズにやられた!!」
「余計言えるか」
近藤は自分は倒れた奴らとは違って情けなくないぞというように主張したが、そっちの方が情けないと土方はバッサリ斬り捨てた。
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