「なんてこった。まさかあれで引かねーなんて。我が娘ながら恐ろしい。」

「いや、ほんと恐ろしいよ」

松平は土方の言葉に娘の件について他言するなと脅した。

「とっつぁん。安心しな。あんたの娘は漏らしてなんかいねーよ。見ろ。野郎は着替えたってのに、あんたの娘はそのまんまだ。」

確かに、土方の言う通りだった。

「ケツに挟めたまま歩いてんじゃねーのか?」

「そんなわけないじゃないですか!栗子ちゃんがかわいくないんですか?!」

そんなことを娘に言ってのける松平の神経を疑って、凛は怒った。

「あんたの娘はなァ野郎を傷つけないために嘘を言ったんだ」

土方の言葉を理解した近藤が引き継いだ。近藤ももちろん着替え済みだ。

「トシ、それはあれか。栗子ちゃんは脱糞なんかじゃ全然引いてないと…お前と凛ちゃんは脱糞してドン引きしてたのに栗子ちゃんはそんな汚い部分を含めて奴を包み込んでいると…そーゆーことか?」

「近藤さん。俺も引いてますぜ」

自分は引いていないと思われては心外だと沖田は急いで訂正を入れた。

「こいつァ本気で…」

土方が呟くと、沖田は衝撃の光景を伝えた。

「とっつぁん!あれ見ろィ!やべー観覧車に向かってますぜ。間違いねぇ。チューするつもりだ」

「何?!そうなのか?!」

「観覧車っつったらチューでしょ。チューするためにつくられたんですよ。あらァ」

「そうなの?!知らなかった!栗子ちゃんが危ない!」

沖田の言葉に、松平と近藤は立ち上がり、2人の後を追った。

土方の脳裏には、今まで自分に言い寄ってきた女性たちが自身の土方スペシャルを見て引いていく過去が浮かんだ。

…愛なんて幻想だと思っていたがな

土方は小さく笑って立ち上がった。

「篠崎。行くぞ」

「はい。」


―――


七兵衛は栗子に告白しようとした。

しかし、黙っているはずのない松平たちはヘリで栗子たちが乗っている観覧車を襲撃しようとした。

「殺し屋 侍13。お命頂戴する。」

栗子たちが助けを求めると、そこに2つの人影が現れた。

「トシぃ!凛ちゃぁん!」

「トシぃ?」

「凛?」

「「誰だ それは」」

「俺は愛の戦士 マヨラ13」

「同じく 女騎士13」

「「人の恋路を邪魔するバカは消え去れ」」

土方と凛は2人同時にバズーカを発射し、ヘリを撃墜した。

「2人いつまでも仲良くやりな。じゃあな」

土方は惚れた腫れたも悪くないと思っていると。

「待ってくださいませ!マヨラ13様!こんな脱糞野郎となんて別れるでございまするから、私と付き合ってもらえないでございまするか?」

栗子の言葉に、愛なんて…と思いながら、土方は下の湖まで落ちていった。

「土方さぁぁぁぁあん!!」

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