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裏町の宿屋に移動し、今日から船が見つかって出航するまでここに居座ることになった。誰も口を開かず、腫れた目も気にせずにナミと同じ部屋に入った。

「今日はもう寝ましょう。」
「眠れるかな。」
「眠らないと………」

とりあえずベッドの中に入ったものの、全然眠れない。そういえば、ここは屋上があったなと思ってベッドから出た。

「どこ行くの?」
「ちょっと外の空気を吸いに。」
「風邪ひかないようにね。」
「うん。」

心配してくれるナミに笑いかけ、部屋から出た。屋上に出て空を仰ぐと、沢山の星が輝いている。隅っこの方に座り込み、星は見ずに地面を向いた。ロビンは今どこにいるんだろう。ウソップは大丈夫だろうか、船はどうするんだろう。考えなければいけないことは沢山あった。そんな時、ガチャッと言う音がして扉の方を見るとルフィが入ってきたところだった。

「ルフィ。」
「その声はアミか?」

まだ暗さに慣れてないのか、私の顔が見えないみたいだ。ゆっくりと近づいて、もう一度名前を呼んだ。

「眠れねェのか?」
「ルフィこそ。」

二人で地面に座り、空を見上げた。月が顔を出したり出さなかったり。雲の流れが早い気がした。

「明日、ロビンを探しに行こうと思う。」
「ロビン、何してるんだ。」
「わからない。でもね、夢を見たの。」

ルフィにはちゃんと話そう。私が今まで予知夢をみてきたこと。夢を見て未来がわかっていたのに、サボを救えなかったりビビを仲間に出来なかったり、私が悔やんでいる事を話した。そして、最後にロビンの事。

ーーー私はもう…あなた達の所へは戻らないわ…

ーーーこんな私に今まで、良くしてくれてありがとう。


という言葉のこと。ロビンがどうなるかはわからない。だけど、きっとロビンは離れていく。

「こんな、未来を見てしまう自分が気持ち悪い。」
「泣くなよ。」
「え?」

頬に触れてみると涙が流れていた。泣いてばかりだな、私。服の袖で拭うとルフィに止められた。腫れるだろって。その言葉でさえ、私の顔を熱くさせた。

「そんな未来、おれが変えてやる。」
「でも……今まで………」
「それはアミが一人だったからだろ?今度はおれがついてる。」
「ルフィ、ありがとう。」

ルフィと目を合わせ、笑いかけるとそのままキスをされた。何度も何度も交わすキス。今日は目を開けていた、理由はないけどルフィの顔がよく見える。

「目、閉じろよ。」
「照れてる?」
「照れてねェ。」

抱きしめられて、ルフィの頭が私の肩に乗った。小さく好きだと聞こえて顔が火照るのがわかる。

「大好きだよ。」

恥ずかしいはずなのに、今日はスッと口から出てきた言葉。目の前のルフィは顔を赤くして、でも嬉しそうに笑ってる。よかった、笑顔になって。ウソップとの決闘からルフィは笑ってなかったから。

「ルフィ、笑ってよ。」
「アミこそな。」

お互い顔を見合わせて、ぷっと吹き出した。今夜は何も考えずにルフィと抱きしめ合って眠ろう、そして明日になったらウソップの事とかロビンの事を反省したらいい。

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