002
「クミっ!」 「ルフィ久しぶり、そして逮捕します!」
クミはニコっと笑った。せっかく久しぶりに会ったってのに、クミはただ捕まえると言っただけだった。ずーーーっとおれは会いたかったのに。今すぐ抱きしめたいし、今までの分を埋めたい。けどクミはおれを見ずに仲間たちを見渡す。
「なに!?海軍?こんな小さな子供が?」 「子供じゃないです、これでも17歳ですよ。」 「ええ!?」 「ウォーターセブンお疲れ様でした。皆さんお尋ね者ですね。」
全員分の手配書を片手に、ポケットに手を入れてなにかを探すクミに声をかけずにはいられなかった。
「クミ、元気だったか!?」 「ルフィ、私は敵だよ。」 「元気そうでよかった。」
クミの笑顔がやっぱり好きで、一緒に海賊やりたい、って今も思う。
「なに?あんた達知り合い?」 「なんで1人で?」 「クミちゃん!お茶でもいかがですか?」 「質問は牢屋の中で聞きますね」
クミはおれに襲いかかってきた。けど腕を掴んで、座らせた。
「きゃあ!」 「って弱っ!!」 「ルフィ、強くなったね」 「おめェが弱いんだよ!!」 「クミはやっぱおもしれェ!おれの仲間になれよ」
何回も誘って何回も断られた。でも、おれは何回でも言うぞ。クミと一緒に旅をしたら、ぜってェ楽しいと思うんだ。
「私は海兵です!逮捕するんです!」
やっぱり、断られた。けど、絶対仲間にするんだ。するとクミは電伝虫を取り出した。クミの頭の上にあるのと同じ花の冠が付けてある。
「クミです。あ、モモンガ中将!麦わらの一味に潜入しました!!」
クミは翼を広げ、少しだけ浮いた。
「まさか…応援を呼ぶ気か?」 「ヤバいんじゃない?」 「斬るか?」 「斬るな。クミを仲間にするんだ」 「まだ言ってんのか」
クミにはおれの傍にいてほしい。横で笑っててほしい。
「えっと、なに言おうとしたっけ。まぁいいや。もうすぐ帰ります!」 『逮捕したのか!?』 「やめました。」 『やめただと?』 「そんな怒んないで下さいよ!ガープさんは?」 『出かけた』 「そうですか、じゃ帰りますね」 『だから捕まえて来い!!』
クミには捕まらねェよ。おれはクミには負けられねェからな。
「私1人じゃ無理ですよ」 『また1人で乗り込んだのかっ!』 「みんな飛べないし…」 『お前は弱いんだからな!?』 「銃さえ握ればこっちのもんです」 『その銃は?』 「忘れました」 『なにやってんだ!!!!』 「帰ります!お説教は本部でして下さい。また今度なにか奢りますから。」 『いらん!だから捕まえ……プチッ
クミは電伝虫を切り、おれたちをみてニコリと微笑んだ。なんだ、すげぇ仲良さそうだったな。って言おうとしたらクミが先に口を開いた。
「じゃ、また来ますね?」 「お前なんなんだよ!!」 「クミです、これからよろしくお願いします。」
もう帰るのか。久しぶりに会ったってのに。おれの頭は不満だらけだった。でも、クミとはまた会える。
「また来いよ!クミ!!」 「ルフィ!好きだよ。」 「おれも好きだ。」 「なんなんだよお前等!!」
ウソップがそう叫んだ。そのツッコミになぜかクミは微笑んで、綺麗な羽で飛んで行った。
「で?お前等の関係は?」 「サンジ、痛ェよ」
サンジに頬を引っ張られる。
「婚約者で敵だ。」 「はぁ?」 「おれが海賊王になったら結婚するんだ。」 「いや、駄目だろ、海賊と海軍なんて」 「おれは結婚するんだ!」 「でも、これからも色々あの子となにかありそうね」
おれの大好きなクミは海兵として頑張ってたみてぇだ。だからおれもがんばる。
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