044
海岸通り。私はものすごく不機嫌だ。 フルーツ牛乳を取り上げられたからである。
「世は大海賊時代。海には"ひとつなぎの大秘宝"を狙う海賊が生まれては消え…消えては、また生まれる」
クザンさんは話し始める。 私は歩きながら海を眺めた。 青く輝く海。この海が今から破壊されるかもしれない。
「夢が先か?人が先か?海賊が夢を追えば、あたたかな幸せや、愛する者を失った人々の涙が流れることもある。どうすりゃあいいのよ…答えなんて、あるのかよ……と。 そこで元海軍本部大将ゼファーは…Zはムリやり答えをだしたのよ」 「答え?」 「『"ひとつなぎの大秘宝"が消えれば海賊も消える』…雑な考え方だよな」
クザンさんはZの考えを、肯定も否定もしなかった。 今は、ただZの行く末を見たいのだという。そして、その先は、どうしたらよいのかわからない。悩めるクザンさんは立ち止った。
「"麦わらのルフィ"…お前は、お前の信念に従って、またZにぶつかってゆくんだろう。おれに、お前の答えを見せてくれ。Zは……ネオ海軍総帥Zは、この島にいる」 「Zがこの島に…」
クザンさんはそのまま歩いて行く。私もその後ろに続いた。
「ルフィ、またね!」
ルフィに手を振って、クザンさんの横に走った。
「フルーツ牛乳の件、許してないですからね」 「あらら、これは当分許してくれそうにねェな」 「食べ物の恨みは怖いですよ?」
また今度、温泉に行こう。クザンさんと卓球の勝負がしたい。
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