043

浴場には私たち二人だけ。

「クミ…会いたかった」

ルフィに抱きしめられる。肌と肌が直接触れ合って、すごく恥ずかしい。会うのは頂上戦争ぶりだ。ルフィのお腹には大きな傷。

「ルフィ、傷」
「修行したときにな。クミ、髪伸びたな」
「うん、」

ルフィは私の茶色の髪に触れる。髪に触れられてるだけなのに、私の体は熱くなった。

「さっきの、なんだよ。恋人候補って」
「クザンさんが勝手に言ってるだけ」
「勝手に…か、向こうは本気みてェだけど?」
「こ、告白は…された」
「返事は?」
「まだして…ません」

ルフィにより強く抱きしめられる。私はルフィだけ。クザンさんには悪いけど、私はルフィしか好きになれない。

「大丈夫、私はルフィだけだから」

そう言ってルフィを見つめた。ルフィは私に噛みつくようにキスをする。2年ぶりのキス。ルフィが止まることはなくて。私の息が続く限り、何回もキスをした。

「ルフィ、のぼせそう…」
「もうちょっと、」

首がチクリと痛んだ。

「み、見えるとこにつけないでよ」
「おれのもんだって、あいつに教えないとな」

ルフィは私の肩にキスをした。またチクリと痛んだ。

「ルフィ…、浮気とかしてない?」
「するわけねェだろ」
「…、ハンコックさんとか…」
「ハンコック?しねェよ」
「ホント?」
「ああ、」

今度は私からルフィにキスをした。ホント、大好き。

「…、熱い…」
「そろそろ、あがらねェと怒られるな」

ルフィと浴場から出ると、クザンさんに牛乳を渡された。

「私コーヒー牛乳がいいです」
「って言うと思って、ちゃんと用意しといた」
「さすがクザンさん」

コーヒー牛乳を一気に飲み干す。熱い体にちょうどいい。ルフィ達は牛乳を飲んでいた。

「お前、その脚、どうしたんだ?」

ルフィは氷の義足をつけたクザンさんに尋ねた。

「世の中には、聞かない方がいいってこともあるって、覚えときな」

クザンさんって、私のときと他の人の態度が違う気がする。

「じゃあ、聞かねェ。そんならよ!お前、なんで赤犬と決闘なんかしたんだ?」
「やれやれ、ホントデリカシーのない小僧だよ…それもノーコメントだ」

クザンさんは苦笑でいっぱいの顔を返した。
私は5杯目のコーヒー牛乳を開ける。

「んじゃ、なんで、こんなところにいんだ?」
「こりねェやつだな…まァ、それは答えてもいい」

ゾロさんに冷ややかな目を向けられる。

「なんですか」

小声で聞いてみた。

「いや、飲み過ぎだろ」
「お風呂上りのこれは美味しいですよ?」
「だから、飲み過ぎだ」

私は仕方がなく、フルーツ牛乳にすることにした。

「そういう問題じゃねェよ」

ゾロさんは小さく笑った。

「湯治だ。と、言いてェところだが、あんまりゆっくり湯に浸かっているわけにもいかねェ。おれは、ある男を追っている。小僧…最近、すげェのと戦ったんだろ?」
「Z…!」
「あのおっさん、強かったろ?なにしろ元海軍本部大将だからな…」
「大将…!」
「どうりで…」

ゾロさんとサンジさんは納得の表情を浮かべた。クザンさんが一味を外に誘った。

「クミちゃん、行くよ」
「え、まだ…5杯しか飲んでない…」
「行くよ」
「離してください!嫌だ!わあああ!!」

クザンさんに腕をつかまれて、そのまま外に出ることになった。



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