017

溢れだそうとしている涙を抑え、廊下を歩く。目の前に、ガープさんが険しい顔をして立っていた。

「クミ…」
「ガープさん…」
「聞いたか?」
「はい。」
「わしはどうしたらいいんじゃ」

ガープさんの目をじっと見つめる。弱々しいようで、強いその瞳はルフィの瞳とそっくりだ。

「私達は…海兵です」
「…」
「でも、家族です…」
「そうじゃな」

たぶん、ガープさんと考えていることは同じだろう。私達は海軍の仕事をするしかない。でも…いざとなったら…何をするかわからない。

「じいちゃん…」
「クミ。」
「ぅ…ぅう…」
「クミ…わしも同じ考えじゃ」

私はじいちゃんに抱きついた。今なら甘えてもいいよね…。これでも私、女だ。



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