05
「◯◯もう来るな。」
「泣けてきたんだけど。」
なんなの。みんな。私を邪魔者みたいに。
「そろそろ本命にアタックすればどうだ?」
「ドフィ、わかってるでしょ?私がヘタレだって。」
「フッフッフ」
ニヤリと笑う彼は私の太ももを撫でていた。
きっとドフィは私が他の男たちとの縁を切っていることを察している。
彼に、何年会っていないだろう。私が愛している彼は今頃誰かを愛してるのだろうか。今頃、その子に笑顔を見せているんだろうか。
想像するだけで、憎くて悔しい。嫉妬心で狂いそうだ。
「帰る。」
「お前に居場所なんてあるのか?」
「もう、ドフィ。」
「◯◯の泣き顔は堪らねェな。」
ドフィだけは、私の本心を見ているかのように核心をついてくる。行く宛などあるはずがない。
海賊でもない、海兵でもない、だからってエースの元に逃げるような女になりたくない。エースは男遊びに酔う姉でも大切にしてくれるはずだ、それが余計に私を苦しめる気がして。
クイッと私の顎を持ち上げて、目線を合わせてくるドフィの表情が私は好きだ。悪くて私を何とも思っていないその顔が。
「弟の元でも行け。」
「エースかァ。きっと男遊びやめろって言われるだけ。」
だろうな、と呟いたドフィは私に噛み付くようにキスをした。あ、寂しいんだな、とここでようやく気がついた。そう言う顔をするのは初めてかもしれない。
「ドフラミンゴ。」
「そう呼ぶな。虫唾が走る。」
「ふふっ、虫唾が走る?うそ。私に惚れちゃうからでしょ。」
「そろそろ黙れ。」
強引に床へ押し倒される私はそっと股を開いてやった。なーんだ、私と離れたくないんだ。
でも、もう終わり。
(起きればいつも消えてんじゃねェよ)
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