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どうしてもルフィがほしい。
私ってすごい重いやつなのかな。誰が見てもそうだと思うだけど、好きだからこうなっちゃうし止められない。
もしも、ルフィの好きな人も、ルフィが好きだったら。考えたくもないが、私はきっと立ち直れない。生き方が分からない。ルフィのために生きてきて、ルフィのために人脈を広げて、全てルフィに捧げてきて、私には何が残るのだろう。

私の足は勝手にナミの蜜柑畑に向かっていた。とりあえずルフィの好きな人を突き止める。逃げられたけど、追いかけるしかない。それに好きな人がもしナミで、さっきの私との会話で「好き」と気付いたとしたら。




「好きだ。やっぱりお前じゃねェと駄目だ。」

ちょっと待ってくれ。神様は本当に意地悪だと思う。いや、私が悪かったんだ寂しさを埋めるために男と遊んで、これは当然の結果だ。なのに、胸が死にそうなくらい苦しい。涙が込み上げてきた。
聞こえたのはルフィの告白。ナミやルフィはどんな表情をしているだろうか、蜜柑畑の影から2人の声に耳を傾ける。ルフィの好きな人はナミだったんだ。予感が的中してしまい、動揺で視界が曇る。

「いいわよ」

「よし!」

どうしてこんなにも、イライラしているんだろう。イライラ?それとも悲しさ?この感情はいったいなに。真っ黒で、胸の中を渦巻いては増幅する。ナミが憎くさえ感じる。

やり直せるなら、幼少期からやり直したい。まだルフィと出会ってすぐの頃から。素直な私のまま、やり直したい。



****




「シャンクス!私も海に連れてってよ!」

「おれも!おれも!」

「◯◯までそんなこと言うようになったか!」

「シャンクスのこと好きなの!」

シャンクスを見ずに私はルフィに視線を向けた。そうやって、辛そうな泣きそうな嫉妬してるような顔を見るのが好きだったから。

「もう少し大人になったらな!考えてやるよ!」

シャンクスの言葉に微笑んだ。
エースとサボを山に残して私はフーシャ村によく遊びにきた。彼らはお金集めに必死で楽しくなく、その時出会ったルフィに一目惚れした。運命だと感じた。
そして、たぶんルフィも私のことが、この時は好きだったはずだ。

「◯◯!やめとけよ!シャンクスなんて!」

「大人の、ちょっと冷たいような男の人が好きなの!シャンクスはどタイプ!」

ルフィと正反対の性格を言う私は悪女だと思う。こんな性格だから嫌われるのかもしれない。幼少期は素直だと思っていたが、そんなことはなかった。

「そっか………」

この時のルフィの顔を私は忘れない。泣き出したその顔はそれ以来見たことがない。
そしてこの日をきっかけに、ルフィは私を諦めたようだった。好きというのがルフィから伝わらなくなり、私は焦りを覚えた。






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