小説 | ナノ



【Blindly Romance】
※百合&キャラ崩壊注意


「なまえおはようー!」
「あ、ピーチ。おはよう」
「あーん、今日もかわいいわねー!昨日より一段とかわいいわぁー!」
「いやいや、変わってないから」
手を振って否定するなまえだけど、そんなことないわ。私からすれば昨日よりも輝いて見えるもの!

「そうだ、ピーチさぁ、リップ持ってない?」
「ええ、あるけど」
「よかったら貸してもらえないかな?朝起きたら乾燥ひどくてさぁ」
そう言われて見てみたら、キレイな形の唇はヒビが入りそうなくらい乾燥していて…思わず悲鳴を上げそうになっちゃった。

「大変じゃない!はい、使って!」
「ありがと。うわぁ、ハチミツ?いい匂いするね」
「それ、あげるわ。乾燥に効くのよ」
私は最近新しいもの買ったから、とつけ加えると、苦笑いが返ってくる。まぁいいじゃない。買い物が唯一のストレス発散方法なのよ。

「うーん、なんか美味しい匂いするから舐めちゃいそうだなぁ」
「舐めたらまた荒れちゃうわよ」
「そうだよねぇ…。気を付けなきゃ」
照れたように笑うなまえが本当にかわいくて、キスしてあげたくなっちゃう。

「なんか私、ピーチにいろいろもらってばっかりだよね?ごめんね」
「気にしないで!私がしたくてしてるんだから!」
「そう?でも…」
「だってお友達だもの、当たり前じゃない!」

『お友達』か…。自分で言って苦しくなるわ…。でも、なまえの笑顔が近くで見れるのなら、お友達でも構わない。
あの人には見せない顔を、私に見せてくれる。それだけで、私の心は救われているの。独りよがりだって、わかっているけれど。

「そっか。なら、ありがたくもらっちゃおうかな」
「ええ、なくしちゃ嫌よ!……あら、なまえその髪飾り…」
「え?あ、うん…もらったんだ」
柔らかな髪に飾られている、見覚えのないローズコサージュのコーム。私が口にしたら、なまえは少しだけ頬を染めて答えたの。
その表情の変化に、胸がギュッと締め付けられる。ああ、やっぱり…私はあの人には敵わないのかしら…。

「…ピーチ?」
「っ!あ、うん…とっても似合ってるわ!なまえはもっと女の子らしくならなくちゃね!」
「ええー、ヒラヒラした服とか、私には無理だよ?」
「だめよ!もっと男のツボを狙っていかなくちゃ!」
危ない危ない。なまえの前で悲しい顔なんてしちゃいけないわ!私はなまえの笑顔が見たいんだもの、めげちゃダメよ、ピーチ!
でもね、たまには不安になることもあるのよ。ねぇなまえ、私は上手く笑えているかしら?

「あ、そうだ。私これから街に行ってくるの!」
「あら、そうなの?」
なんだ、デートか。だから髪飾りしてるのね。また曇りそうになる顔を一生懸命保って、とても嬉しそうにしているなまえを見つめる。

「フルーツを買ってくるから、明日一緒にケーキ作りましょ?」
「え?」
「たまにはゆっくり二人でお茶しましょうよ」
…なんてこと!なまえからデートのお誘い!二人っきりなんて、ピーチ困っちゃう!なまえを襲っちゃわないかしら?!
嬉しさで一気に舞い上がっちゃって、ろくに反応できないでいたら、なまえが少し不安そうな顔になって。

「あ…もしかして、用事あったりする?」
「いいえ!そんなことないわ!ぜひ!ぜひ作りましょ!」
「ほんと?よかったー。じゃあ、明日楽しみにしてるね」
そう言ってニッコリ。ああー神様ありがとうございます!私の献身的な愛が少しずつなまえに届いているのね!

さっきまでの不安なんてどこへやら、街へと出掛けていくなまえに手を振りながら、にやける顔を抑えるのに必死な私。
さぁーて、明日に向けて女を磨くわよ!あんな男になんかピーチ負けない!





13.09.09
桃姫ちょーこえーwww


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