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【≠アンラッキーボーイ】


現在、4人で大乱闘中。メンバーは僕とリンクとフォックスとマルス。

なんだけど…今日の僕はとんでもなく絶不調。飛び道具はことごとくフォックスのリフレクターで跳ね返されるし、マルスにはカウンター決められまくって、挙げ句の果てには攻撃しようとしたら上からボム兵降ってきて自滅。
なんか、まだ半分くらい時間残ってるけどもう戦意喪失…。今日は厄日なのかなぁ。

すると、ステージの端っこにアイテム出現。あ、アシストフィギュアだ。

『!!!』

それを見た瞬間、全員の目の色が明らかに変わった。次の瞬間には全員が全力でアシストフィギュアに向かってダッシュ。

「もらったぁああぁあ!!」
「させないよ!!!」
一番近くにいたリンクが手を伸ばしたけど、すぐにマルスのドルフィンスラッシュが入る。そこにフォックスが突っ込んでいって、二人を飛ばす。
「いただき!!」
「えぁああぁあ――!!」
駆け寄るフォックスを、リンクの回転斬りが妨害。

「く、そ…!邪魔するなよ!」
「邪魔なのはそっちだよお二人さん!」
「どいてろおぉぉおお!」

………ヤバい。

三人の戦いがハードすぎて、近付くことさえ躊躇う僕。だって今日の運のなさ考えたら、確実にまた星にされるもんな。
あーあ、僕もアシストフィギュアほしいなぁ。


なんで全員があんなに必死になってアシストフィギュアを取ろうとしてるのかというと、そこにはわけがあるんだ。
偉大な創造主マスターハンドが、お得意の気紛れで最近新しくお助けキャラが追加された。名前はなまえ。
当たればほぼ即死の強さもさることながら、とにかく可愛い。そりゃあもう、男性陣全員が一目惚れするほど。しかも姫たちやあのサムスまで大のお気に入りと豪語させてしまうほどに、可愛い。
だから、アシストフィギュアを取って運良くなまえを引き当てたくて、みんな必死になってるってわけ。

「僕は負けるわけにいかないんだ!」
「勝ってもいねぇのにそのセリフ言うなカチューシャ!!」
「なまえは渡さねぇぜ!」
ていうか、みんななまえが出ること確定で話進めてるけど、それであの緑の自称妖精オヤジとか出たらどうするんだろう…。なんてことを思いながら、とりあえず遠巻きに三人を観察しt…

「あ」
観察してたら、偶然僕の目の前にもう一個新しくアシストフィギュアが降ってきた。別に大した期待はしてないけど、それを取って割ってみる。
現れたのは…。

「お、今日はネスが呼んでくれたのね?」
「…なまえ!」
まさかまさかのなまえだった。目の前に現れて、僕を見つけてニコリと笑うなまえはやっぱりとんでもなく可愛い。

「なんでこんな隅っこにいるの?他の三人あっちにいるじゃん」
「うーん…なんかね、今日すっごく調子悪くてさ…」
「あらら、まぁたまにはあるよ」
首をかしげるなまえに愚痴をこぼしたら、苦笑いが返ってくる代わりに、頭を撫でられた。ちょっと恥ずかしくて、軽く俯く。

「なら、ネスが優勝できるように私頑張っちゃおうかな!」
「うん。あそこの全員星にしちゃってよ」
「りょーかいっ!!!」
眩しい笑顔に不釣り合いな、大型の銃を構えるなまえ。その後ろ姿を見ていたら、なんか今日の僕全然アンラッキーじゃないな、なんて思った。
まだ時間は残ってる。もうちょっと頑張ってみよう。三人を残らず星にして帰っていくなまえに手を振りながら、バットを強く握り直した。




(よっしゃきたー!アシストフィギュア!!!)
(うわぁ〜妖精さん!会いたかったのだぁ〜☆)
(チンクルてめぇぇええぇええ!!!!)




13.08.28
アシストフィギュア夢とか、まじ私始まった\(^o^)/



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