小説 | ナノ
【そしてまた振り出しに戻る】
「ほら、いくぞー」
「う、え!いきなりっ!?ちょ、ちょっと待って待って!」
「なんだよ。さっきからそればっかりだな」
「だ、って……うぅ――…」
「自分から『やって』って言ったんだからな」
「そりゃそう…だけど……」
「ほら、動くなよ。ちょっと痛いかもしんないけど」
「なんでそうやって脅かすの!?だから決心鈍るんじゃん!」
「決心鈍るも何も…一発ブスリで終わりだろ」
「だって!は、初めて…だから。血とか出たら…やだし…」
「出るときは出る。出ない時は出ないの!ほら、早く!」
「何でリンクだけそんなにヤル気満々なのさー!やられる私の身にもなってよ!」
「いや…頼んできたのそっちd「あぁもう!…やっぱりやめよっかな…」
「もう良いだろ?いいかげんやるぞ」
「うわー!!待っ…!待って待って!!」
「ちょっ…泣くなよ!俺が泣かしてるみたいじゃんか!」
「泣いてないわよ!」
「じゃあその目に光るのは何ですか」
「汗が目に入っただけ!」
「なぁー…いいかげん、サクッと開けようぜ?ピアスの一個くらい、さ」
「――…。経験豊富そうだからって、リンクに頼んだ私がバカだった…」
「てか、なんで今更になってピアス開けるとか言い出したんだなまえ?」
「え…――。そ、れは……」
「俺としては、結構気になるんだけど」
「……んと、ね…。あの…」
「なまえはリンクとお揃いがしたいだけなんだよね?」
「っ、ビックリした……マルス、いつからそこに…」
「ん?結構前から居たよ」
「マルス!!な、なんで言っちゃうの?!秘密にするって約束したじゃん!」
「だって、なまえが煮え切らないことばっかり言ってるから。見てるこっちはヤキモキしっぱなしだよ」
「……なまえ…今の…ほんと?」
「――っっ!!もう、今日はやめた!私もう寝る!」
「ちょっ、行くなよ。お前……本っっっ当に可愛い奴め!!」
「うわっ!!リ、リンク!マルス居るから!どいてどいて!」
「わー、邪魔者っぽいから僕こそ寝るね。おやすみー」
「えぇ?!マルス助けてくれないの?!」
「なまえ―――!!!」
「っぎゃぁああああぁ!!!」
「…あーあ。夏だなぁ」
13.08.18
くだんね\(^o^)/
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