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 僕たちは、比較的きれい目な着替えを持って赤崎さんの家に行く。お隣さんの家は元々おじいさんが住んでいて、何年か前に亡くなってからはずっと空き家だった。
 赤崎さんは今そこに1人暮らししているそうだ。広いお家で、1人で住むにはちょっと寂しいんじゃないかな、と思った。
「今日は暑かったし、汗かいたでしょう?お風呂湧いてるから、ゆっくり入ってきてね!そのあいだにご飯の準備してるから」
「はーい」
「はーい」

 湯船に浸かるのは何日ぶりだろう。最近は公園の水道に行くのも、虫が出て嫌だから2日に一回くらいになっていた。
 赤崎さんの家のお風呂は木造で、浴槽は大人でもゆったり足を伸ばせる広さだった。
 僕と弟はしっかり身体と頭を洗い、肩まで湯船に浸かる。
 お風呂の温かさが気持ちいいなんて、初めて思った。
 お風呂から出ると、ふわふわのタオルが用意されていた。

 何もかもが、僕は嬉しくて、幸せだった。

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