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「お泊まり会?」
「そう。一緒にご飯食べて、夜はちょっと夜更かしして、そうそう花火買ってきたんだ!みんなでやろう?」
「花火ー?!」
 弟が嬉しそうに言った。
 僕は、単純にご飯にありつけそうなのが嬉しかった。
「そう。招待状も作ったんだ」
 はい、と手渡された綺麗な封筒が二枚。それぞれ、弟の名前と僕の名前が書かれている。
 弟と僕はわくわくしながらそれを開けて、中の二つ折りになった紙を開いた。
 招待状と書かれたその紙は、周りに綺麗なレイアウトがされている。少しクセのある手書きで、今日の日付の下にお泊まり会の内容が書いてあった。
 お風呂、ご飯、花火、映画(DVD)、就寝。
 そして明日の朝ご飯まで。
「うわあ、すごーい!!行きたい、お兄ちゃん、お泊まり会したいっ」
 弟が言った。僕も同じ気持ちだった。
 でも、こんな至れり尽くせり、いいのかな。そう思って赤崎さんを見ると、赤崎さんも僕を見ていた。
「……あのね、気兼ねしないで、楽しんでくれたら嬉しいな」
 照れながら言う赤崎さんは、僕の心を読んだみたいだった。
「……じゃあ、よろしくお願いします」
「わーい!!よろしくお願いしますっ!!」

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