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スイカもきれいに食べ終えると、僕も弟も眠くなっていた。幸せのまま、うつらうつらしている。
「……じゃあ、もう寝よっか。花火とか映画は、また今度ね」
そう言って赤崎さんに案内された部屋は、縁側のある部屋だった。窓の外には花火をやる予定だった庭に、小さな池が見えた。
赤崎さんがいそいそと布団を敷くのを、眠い目を擦りながら手伝う。
ふかふかの布団が、それだけで気持ちいい。
僕と弟が倒れこむように布団に横になると、赤崎さんは障子を閉めた。月の明るい光が少しかげって、部屋が落ち着いた暗さになる。
「本当は2人にこれを見せたかったんだけど……もうおやすみ、だね」
枕元にしゃがんで、赤崎さんは僕と弟の頭を撫でた。
「ん……なあに、どんなの?」
僕は夢と現実をうつらうつら、赤崎さんに聞いた。
「……じゃあ、ちょっとだけね」
カチン。
赤崎さんが小さな丸い電気スタンドのようなもののスイッチを入れた。
すると、部屋一面に淡い赤や黄色、青の光が広がる。
「すご……」
きらきらと、光が揺れた。
それは赤崎さんの手作りプラネタリウムだった。
赤崎さんの作った色とりどりの宇宙が、部屋の中に広がる。
「さあ、ゆっくり寝て」
言われるまでもなく、僕と弟は、夢も見ないほど深く眠った。
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