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「自分でできますよね?」
 古佐治はシャワーのお湯を調節しつつニ歹に確認すると、何故か胸を張って首を振る。
「できない」
「え」
「古佐治、やってよ」
 固まっている古佐治をよそに、ニ歹は浴室の床に座り、恥ずかしげもなく股を開く。だらんと萎えた性器を曝け出して、色気も何もない。
「……俺的には、うつ伏せというか……四つ這いになってもらった方がやりやすいんですが」
「こう?」
 二歹は言われた通り、四つ這いになり尻を突き出す。散々痛めつけられた淵は赤くなり、腫れている。こびりついていた血と精液と排泄物の混ざったものはなくなっていた。恐らくトイレで拭ったのだろう。
「いたっ……」
 指で淵を撫でると二歹が声を上げる。腫れたところを擦ったせいで、また血が滲んでいる。
「石鹸つけたらしみますけど」
「いいよ、昨日よかマシだろ」
「……我慢してくださいね」
 ボディーソープを少量手に取り、指につけて穴にあてがう。
「あーー……つーー……あーー」
 傷口に塗り込むつもりはないが、指をねじ込もうとすると自然と傷口を開いてしまう。二歹のうめき声に、ぞくりと、あの感情が顔を出す。
「もう一本入れますよ」
「早い早いあーーっく、んん」
 石鹸のぬめりもあってか、割りとすんなり二本目が入る。二歹の苦しそうな声には、どこか艶を帯びた甘さも感じた。
「ほんとに非処女なんですか?あんま使ってないみたいですけど」
 今でこそ痛々しい色をしているが、昨夜抱いた印象では使い込まれた様子もない。散々貫いたせいで指二本は簡単に飲み込まれたが、それでもきつい締め付けだった。
「ほんと」
 たった一言での返事が、なんとなく気になった。それ以上の会話は望まないという空気に、古佐治は黙って指を抜き差しする。指の先に排泄物の塊を感じて、指を引き抜く。
「お湯入れますよ」

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