5


 トン、と胸を押すといとも容易くベッドに倒れこむ。起き上がる気がないのか、両手を上げて降参のポーズのまま動かない。二歹はじっと古佐治を見上げる。
 古佐治は太ももの上に跨り、二歹のベルトに手を掛けた。一体誰を襲おうとしているのか、二歹の姿に三月が重なってしまう。頭が上手く働かない。
「なあ、古佐治って童貞?」
 唐突に、二歹の指が古佐治の頬を撫で上げる。身体に触れられる事で一瞬頭が冷えた。それなのに、二歹はへらへら笑って、二歹の手が扇情的に身体をなぞる。
「おれ、童貞だけど非ショジョなの」
「っ」
 頭を引き寄せられ、耳元に小さく囁かれた。
「だから抱かれてやっても、いいぜ?」
 プツンと糸の切れる音が頭の中でして、そこからはなし崩しのように事が進んだ。乱暴に引き抜いたベルトで二歹の手を縛り、ベッドの足に括りつける。
 ズボンもパンツも纏めて降ろし、足を大きく開かせる。晒された性器は萎え、後ろの窄まりも口を硬く噤んでいる。プッと唾を吐き、圧倒的に潤いの足りないまま指をねじ込んで慣らす。
 どれだけアナルセックスをしてきたのかはわからないが、この数日触れた様子はない。非処女であってもこのまま突っ込むのはきついだろうな。
 そう思いながらも、既に硬くなった自身を取り出して早々に穴にあてがう。誘ったのは間違いなくお前の方だから、心の中で言い訳をして。
「は、あ……古佐治、まだ、無理だ……っからぁあ」
 人差し指と中指を無理やりねじ込み、力任せに押し開くと二歹が痛みに声を上げた。爪が内壁を傷付けてしまったようだ。
「こさ、……し……っ」
 縋るような声に、身体が震える。感情を抑える余裕なんてなく、そのままぐりぐりと押し込んだ。限界まで引きつった淵が、いっそ切れて血を流してしまえば潤滑油になるだろう。
「こさし……っ」

- 5 -


[*前] | [次#]
ページ:






戻る