ミツバ家からの帰り道
一定の距離を保って歩く二人


「はぁ、、ミツバ先生そーとう怒ってたってばよ!カカシ先生サンマくらい譲ってあげてもいいのにな!!」


「・・・・」


「なんだなんだ〜!ムシすんなってばよ!ったくお前もスカしてるくせにミツバ先生の前では違うんだよなぁ〜!」


「うるさい、ウスラトンカチ」


「なんだとー!!でもわからないこともないってばよ!!ミツバ先生、オレ達にも優しいもんな!!」


「お前と一緒にするな、、、」
ボソッ「 親も兄弟もいねえお前に俺の何がわかるってんだよ…」


「んー?なんか言ったっかぁ?」


「いや、何でもない。じゃあな」


ーシュタッと夜の街に消えて行くサスケ


サスケのヤローもっと素直になれってばよ


約束


ナルト達が帰り静まり返った部屋
誰かが帰った後の静けさと寂しさはいつまでたっても慣れない
お酒でものんで紛らせようかな〜
と冷蔵庫を開けるが

『・・・ない。』

そりゃそうだ、普段からお酒はそんなに飲まないし何より強くないのだ

気分転換に散歩でもするか

ふらふらと歩いていると公園にたどり着く
ブランコに座ってぼーっとしていると三代目が言っていたことが頭をよぎる

"いざとなれば頼りになる男じゃ、お主もいずれわかる"

"いずれ"ねぇ
でも、今日の演習場でのアイツの言葉…

"忍びの世界でルールや掟を守れないやつはクズ呼ばわりされる。けどな仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ"

『クズ・・・か。』

父さんがいなかったら私は何も気づかずその"クズ"になってしまっていたかもしれない

次帰って来た時はミツバが欲しがってた本、買ってやるからな!


そう言って父さんは帰ってこなかった

情報収集、諜報部
里外、他里の情報を集め木の葉に伝える
命の危険がある時は任務を断念し里に戻ることを最優先にすること

それが父さんに言い渡されていた任務
でも父さんは他里の暗部に見つかってしまった
木の葉の仲間達と私達家族を守ろうと
木の葉の情報は一切漏らさなかった
だから、帰ってこなかった

少しでも木の葉の情報や手に入れた情報を喋っていれば父さんは助かったのかもしれない
あの頃は、任務内容に従わず命に関わる事なのに何で喋らなかったのか?
木の葉の平和のためだった。
なんて言われたって私の父さんは帰ってこない
全く理解できず、約束を守らなかった父さんを恨んだ時もあった

でも三代目のおかげで少しずつ気づいた
私の未来を守るためだったと


『仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズ……か。』


「それ、オレの言葉だよね」


『?!』


「こんばんは」

うわー、いつからいたんだこの男
ずっと見られてた?

『どーも……』


「それ、どこで聞いたの?」


『今日、演習場の側を通った時にたまたま……』

ふーん、そう

と言って隣のブランコに腰をかける
最悪な時に出会ってしまった

それからお互い何を話すでもなく続く沈黙

あー、居心地悪い!話しかけてきたのそっちなんだから何か喋りなさいよ!

居ても立っても居られず帰ろうと立ち上がると

「ちょっと時間ある?」

『へ?』

「いや、なんか気分転換に飲みに行きたくなったけど一人より誰かいる方がいいじゃない」

あ、そー言うこと
まぁ私もモヤモヤしてたしいいか

『いいですよ』

「え?いいの?」

驚いた
絶対に断られるだろうと思っていたから

家でゆっくり飲んでいると酒がなくなり
散歩がてら買いに行くと見覚えのある女の姿

何やら考え事をしているのか難しい顔をしている
そして口から漏れる聞き覚えのある言葉

それはオレのやつだよね
何で知ってんの?

気がついた時には話しかけていた

なぜだかはわからない
ただ、なんだか寂しそうだった

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