正体



翌日、観光を済ませ宿に戻る


「いいか、ミツバは昨日と同じように風呂に入っていればいい。俺が女風呂全体を見渡せる場所から見張っておく、安心して湯に浸かってろ」


見張っておくって、なんか一番安心できない状況なんじゃ……


『他のお客さんがいるときは止めてよ?!騒ぎになっちゃうから』


「では昨日と同じ時間ぐらいでどうだ?」


『私はいいけど、、、』

昨日も来て2日連続で覗きに来たりするかな?



正体



『あ〜今日もいいお湯〜』

今日一日の疲れが体から抜けていくようだ
周りを見渡すが遅い時間のため今日も貸切状態
今頃イタチがどこかで見張ってるんだろうけど
やっぱり安心はできない


なんの変化もなく周囲を気にしつつ入ること1時間


『あー、もうダメ、のぼせちゃう』

やっぱり警戒して2日連続ではこないんだよ
そう思ってお湯から上がろうとしたとき


「!!!」


背後に感じた視線
急いで乳白色のお湯に浸かる



ーガタガタッ

「動くな」
「うっ!」


お湯に浸かったまま様子を伺っていると
どうやらイタチが捕まえたようだ

急いでバスタオルを巻いて音のした方へ向かう



『捕まえた?!』

「あぁ」

『どんなやつだった?!』

今まで明るいところにいたため暗闇で人の顔まで見えない

「なぜあなたがこんなことを」

相手を知っているかの様な言い方をするイタチ

だんだん目が慣れてきてその姿を見て驚いた


『自来也様!!!』


「クソォ!見つかっちまったのォ!」


イタチに抑えられていたのはあの三忍と謳われた自来也様だった


『まさか、昨日の覗きも自来也様?!』


「いや〜、ミツバ!なかなかのボンッキュッボンッへと成長したのォ」

おかげでいい取材になった!
と鼻の下を伸ばして言う自来也様


「あなた程の忍がなぜこんなことを」


「ったく!相変わらずイタチは堅苦しいのォ!さっきも言ったろ?取材だっての!!」


納得いかない。と眉間にしわを寄せるイタチ


『イタチ、もう許してあげて?変な人じゃなくて自来也様でよかったじゃない』


「覗いたんだ、十分変な人だろう」


「ミツバは優しいのォ」


全く反省の色はないが、なんだか少しかわいそうになってきた


『ね?許してあげようよ』



「ミツバがいいならオレはこれ以上言わない」

未だ眉間にしわを寄せるイタチだがなんとか納得してもらえた


『もう覗きなんてしないでくださいよ?』


「(それはできない約束だのォ)すまんかったな!」


『自来也様は執筆活動でこちらへ?』

「まぁ、それもあるが色々と情報収集だの」


自来也様と色々と話しているとやけに大人しいイタチ


『イタチ?静かだけどどうしたの?』

「……ミツバ…そ、その…」

なぜか目を合わしてくれない


『ん?』


「………が…てる…」


『ごめん、聞こえない』


「…タオルが…はだけてるぞ……」

『!!』


胸元を見るとしっかり巻いたはずのバスタオルはだらしなくはだけていた
急いでタオルを巻き直す


「イタチ!あと少しじゃったのに、余計なこと言うんじゃあないのォ!」


「自来也様、少しは反省してください」


『イタチ!もっと早く教えてよっ!もう先に部屋戻ってるからっ!!』



「「・・・。」」


教えてあげたのに怒鳴られるイタチと固まる自来也



「自来也様、オレが悪いんですか」

「さあのォ、女は怒ると怖えからのォ」


女湯に取り残される二人だった


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