怪しい陰



『あー!楽しかった!美味しいものも食べたし!綺麗な景色も見れたし!あとは温泉!!』

旅館の近くを観光し次はお楽しみの温泉
ここの旅館は大きな露天風呂が有名らしくとても楽しみにしていた

大浴場の前まで行くと立ち止まるイタチ


『どうしたの?』

「…混浴じゃないのか」

"男" "女"と分けらた暖簾をみて立ち尽くす

『え、期待してたの?』

「男は誰でも夢をみるものだ」

なんかかっこよく言ってるけど内容…

『私長くなると思うから先にお部屋戻ってていいからね?』

「ああ、覗きがいたら大声で知らせてくれ、すぐに向かう」


それって、イタチも同罪になるんじゃ…と思ったがそんな展開ありえないのでスルーすることにした



怪しい陰



『はぁ〜、きもち〜い』

いつもはハズキをお風呂に入れながら自分も入るので、こんなにゆっくり入るのは久しぶりだ
時間も少し遅かったので貸切状態の露天風呂
空を見上げると星が降ってくるよう


「木の葉じゃこんなに綺麗に見えないな〜」


体が温まりボーッとしていると

『!!』


ふと感じた視線
まさかな〜と思い隣の男風呂の方にに聞いてみる


『イタチ〜?今覗こうとしたでしょ〜?』


・・・・。


返事がない?


『イーターチー?!』


・・・・。


どれだけ待っても返ってこない返事

『もー、シラを切る気だなー!』


後で問い詰めてやる!
そう心に決めて露天風呂を満喫した



部屋に戻ると敷かれてある布団に寝転ぶ夫


「のぼせて倒れてるのかと思ったぞ」


何事もなかったかのように冗談を言うイタチ

『のぼせるぐらいゆっくり入りたかったわよ』


「ん?ゆっくり入れなかったのか?」


とぼけちゃって!

『私が気づかないとでも思ったのー?なんで呼んだのに無視したのよ』


「呼んだ?なんのことだ?」


もう!どこまでシラを切る気だ


『女風呂覗いたでしょ!呼んだのにいないフリして〜!』


「呼ばれた覚えはないぞ、オレは十分程で上がったからな」


え?


『じゃああの時イタチは大浴場にいなかったってこと?』


「ああ」


『イタチが入ってたとき他のお客さん居た?』


「時間がだいぶ遅かったからな、貸切状態だった」


ということはだ、あの時感じた視線は気のせいだったのだろうか


「さっき覗きがどうこう言っていたな、まさか誰かに覗かれたのか?」


『いや、露天風呂で視線を感じて…私はてっきりイタチかと思ったんだけど…』


「本当に覗きがいたとはな」


オレは見ていいが他の奴が見るのは許せん
とご立腹の旦那様


「明日はオレが見張っておく、ミツバはゆっくり風呂に入るといい」


それってイタチも女風呂見るってことじゃあ…
と思ったがすでに作戦を練り始めていて言えず


旅行先でまさかの展開になってしまった
明日も怪しい覗き犯は現れるんだろうか



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -