思い出の1ページ



イタチに初めて会ったのは
まだ私が16歳のときだった


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毎朝の修行はアカデミーの頃からの日課になっていて
上忍になった今もずっと続けていた

昨日までは第三演習場で修行をしていたが
つい最近いい感じの修行場を見つけた
今日からそこで修行をすることにしたのだ



『はぁー、今日はこのくらいにしとくか』



朝の修行も無事に終わり帰ろうと立ち上がると
林の中の木の幹が光っているのが見えた
気になって近づいてみると、的にクナイが刺さっていた
周りを見渡すと他の木や石にも的が取り付けられており
クナイや手裏剣の刺さった跡が残っていた


『私の他にも誰かここで修行してるのかな?』


不思議に思ったが今は人の気配はなく
自分とは違う時間帯に来ているのだろう
とその時は気にも止めていなかった



次の日、昨日クナイの刺さっていた的にはクナイは刺さっていなかった

次の日もその次の日も的に残ったクナイや手裏剣の跡は増えていた
私と同じように毎日同じ場所に修行に来ている人がいる
なぜかそれだけで親近感が湧いた


ある日あの的に自分もクナイを投げてみることにした
すると意外にも難しく、よく見るとこんなところにどうやって当てるんだ
というような死角にも的が取り付けられていた

いったいどんな人が修行してるんだろう
私の中の疑問は少しずつ興味へと変わっていった



今日も何時ものようにあの場所へと向かう

すると、前方から人影が近づいてくる
遠くて誰かはわからないが歩いていればすれ違うだろうと
歩き続けていたが、その人影をいつの間にか見失っていた


『どこに行ったんだろう?きっと的の人だと思ったのに、、、』


今日も的の人に会うことはできなかった



11月になり朝方はだいぶ冷えるようになった
あのとき人影を見たっきり修行場の近くで人影や人の気配を感じることは一度もなかった
しかし、的の傷は日に日に増えていっていた



『あーさむっ!』


夏生まれの私はどうも寒いのは苦手だ
ブルブルと震えながら上着を羽織り直しいつもの修行場に向かう



が、そこにはいつもとは違う光景が広がっていた



『?!?!』



なんと男が倒れているではないか

『あ、あのー・・・』

とりあえず遠くから声をかけてみるが無反応な男


少し近づくと胸が上下に動いているのがわかる
どうやら眠っているようだ

『あのー、、こんなところで寝てたら風邪引きますよー?』


「・・・スー、スー」



いくら声をかけても揺すっても起きない男
この男がここで寝ている限り今日の修行は無理だ、諦めよう

自分の着ていた上着を男にかけて修行場を後にした


『さっむーい!!走ってかえろ!!』



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