特別な日



「ただいまー」


いつものようにドアを開け家に入る


「ん・・・?」




が、いつもとは違うところばかり

普段ならドアを開けるとハズキが走ってきて、その後ミツバが出迎えてくれるのだが
今日は電気すら付いていない

「買い物か?」

いや、こんな時間に?
まさか、何者かが……?
リビングの電気を付けてみるが特に荒らされた様子もない

寝ているのかと寝室へ向かおうと足を伸ばしたとき


「「「「『イタチーっ!!誕生日!おめでとーーうっ!!』」」」」

ーパンっ ーパンっ ーパンっ


「!?!?」




「パパー!おめでとー!」

駆け寄ってギュっと足にしがみつくハズキ

まだ放心状態のオレ


『何固まってんのよ!今日はイタチの誕生日でしょ?!びっくりした?』

ニヤニヤしながら聞いてくるミツバ

「あぁ、驚いた…」




「イタチ、誕生日おめでとう」
「立派になったな」

「母さん、父さん」


「兄さん、せっかく追いついたと思ったのにまた差つけられた気分だ、いつまでも憧れの兄さんでいてくれよな」

「サスケ…」


「イタチさん!おめでとうございます!」

「サクラ」


「パパ!だーいすき!」

「ハズキ」


『イタチ、生まれてきてくれて、私を選んでくれて、愛してくれてありがとう!誕生日おめでとう!これからもよろしくね!』

「ミツバ……」



"生まれてきてくれてありがとう"

か、幼い頃から戦いの中を生きてきたオレは
毎日続く死闘をくぐり抜けるたび
人を傷つけ続け自分が生きる意味や生まれた意味を
見失うことなんてしょっちゅうだった

そんな中、オレに生きる意味を与えてくれたのがミツバだった



「ありがとうみんな、今日は最高の日だな」



特別な日



前にお義母さんと練ったイタチバースデーサプライズは無事成功に終わった
食べ物もイタチの好物尽くしにし
誕生日ケーキならぬ誕生日団子を用意した
イタチも喜んでくれたようで良かった



片付けも済み、イタチ、サスケはハズキと忍者ごっこ
お義父さんは寝ている
お義母さんはお風呂に入ったみたいだ

サクラちゃんとお茶を飲んでいると

「ミツバさんとこんなにゆっくり話すのって初めてですよね?!」

『ほんとー!初めてかも?!』

「これからもよろしくお願いしますね!お義姉さん!」

『やだーサクラちゃん!お義姉さんなんて恥ずかしいから!でも可愛いー!私妹欲しかったんだ!何でも聞いてね!!』

お義姉さん
という言葉に調子に乗ってしまった
だって嬉しいんだもん

「じゃあ!早速聞いてもいいですか?!」

『何なにー?何でも答えるよー!』

「ミツバさんとイタチさんってどこで出会って、どんな感じで付き合って、どうして結婚したんですか?!」


『え、、、?』

まさかこの手の質問とは思っていなかった

「すっごく気になります!!」

『あ、あぁ、それ聞いちゃうー?長くなっちゃうけど聞いちゃうのー?』

「こーいう話大好きなんです!!」

目をキラキラさせて乙女モードなサクラに
普通に出会って普通に結婚なんて通じる訳もなく
まぁ、話しても減るもんじゃないし少し昔に浸りますか



「イタチと私が出会ったのはね・・・・・」



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