03 ナイ、無いものはナイ。
ふーっ!綱手様に全部
ブチまけたらスッキリしたー!
こんなこと普段したら吹っ飛ばされる
骨が粉々になって地球を一周するに違いない


ルンルン といい気分で帰る



うん‥帰る‥‥帰るって‥どこに?

私の帰る=おばあちゃんの家

おばあちゃん所まで帰るか?

いやいや、4日はかかるぞ
落ち着け自分


『‥‥‥あ!なんだ2年前住んでいた我が家があるじゃないか!』

だが死んだことになっていた私の家が
果たしてそのまま有るだろうか
まぁ行ってみなけりゃわからない
多少の不安を胸に帰路に着いた



『おぉー懐かしの我が家よ!』

そこは無事に“入居者募集”の看板もなく
2年前と同じ姿のまま残っていた



タンタンタンと階段を上がり玄関に付く
人類の9割はこの時点で気がつくだろう
が、私は残念ながら残りの1割の方の人間だった


右ポケットをがさがさとあさる

ん?

次は左

あれ?

お尻

あれれ?

あ、れ、れ、れ、?


『ないーーーーーーっ?!』


ナイ、無い物はナイ。



ナイ、ナイ、ナイ、ナイ、ナイ!



鍵がない!!!!
まぁよく考えると有るはずがナイのだが
あれ 有るはずがナイって何がナイの
もう何が有って何がナイのかわかんナイ

取りあえず鍵が無い!!


戸締りに神経質な私は
2年前も同じなようで
何処の窓も開いてない
よっぽどこのドア蹴破ったら
開くんじゃないかと思ったが
止めた、当たり前だが壊したら私が
修理しなければいけない
それならば合鍵を作ってもらった方が
絶対安いだろ 何せ我が家は今
ボンビーだ 家庭は火の車だ


ここで冷静に合鍵に辿り着いた自分を
誉めてやりたい

まじて今日のMVPだ


『よし、鍵屋行こう』
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