23 ギャップに弱いんです、はい。
今日はみんながお休み!ということでピクニックに行くらしい!
二人には言えないけど今日が二人と丸一日一緒に居れる最後の日だ、それもあるのだろう

『タカハー、準備できたー?』

「待ってー!」

「置いていくぞ」

「パパ待ってよー」

「ほら早く来い」

「うん」

そう言って隊長と手を繋ぐタカハ、こう見ると微笑ましい

「さぁ、準備できたわね。行きましょうか」

イロハのベビーカーをカタカタ押して先陣をきるミコトさん

ホントに元気だ

その後ろをゆっくりと歩くフガクさん

ピクニックに来るとは思わなかった

「サスケお兄ちゃーん!」
「おいっ!苦しいだろ!」
タカハに首にぶら下がられてジャレ合っているサスケくん

その後ろを歩く隊長とあたし

まるで本当の家族のようだ

「ホントの家族のようだな」

『え?!』

「?何を驚いてる」

『今、同じこと思ってました』

「ふっ…そうか、たまにはこーゆうのもいいな」

『…………』
なんか、今日の隊長かっこいいなー


ギャップに弱いんです、はい。




広場に着いてお弁当も食べた後
私とイロハとミコトさんとフガクさんはシートの上でマッタリとしている

隊長とタカハとサスケくんは忍者ごっこをして遊んでいる
結局どこに行ってもすることは決まっているみたいだ

『イタチ隊長とサスケくんっていいパパになりそうですね』

ふ、と出た言葉自分でも驚いた


「ふふ、そうね。後は可愛い奥さんだけね!ミツバちゃんどう?うちの娘にならない?」

『えっ?!』

「おい、からかうのも大概にしてやれ」

「誰かさんがあんまり遊んであげなかったから反面教師であんなにいいパパ候補になったのかしらね?」

「…ハァ」

フガクさんは肩身の狭そうな顔をした
ミコトさん強すぎです





日も暮れて帰り道
タカハは遊び疲れたのか隊長におんぶされて寝てしまった
イロハも帰り着く頃には寝てしまい二人とも晩御飯になっても起きることはなかった

子ども達が寝ている横でいつもと違った雰囲気でご飯をたべた後みんなで静かにお茶を飲んでいるとミコトさんが

「明日でお別れなのね」

みんながスヤスヤと寝ている二人に視線をやる

『長いようでとても短かったです』

「そうだな」

「今日は起きないかもしれないわね。部屋に連れていきなさい、ミツバちゃんも疲れたでしょ?」

ミコトさんにそう言われお言葉に甘えてあたしも部屋に上がる事にした

二人を寝かせて眺めていると

「パパ…ママ…」

タカハが寝言で呟いた
このパパとママは隊長とあたしの事を言っているのか
それとも本当のお父さんとお母さんの事を言っているのか

ここは前者であって欲しい
色々考えていると急に悲しくなって恋しくなって泣きたくなった

すると隊長が入ってきた

「ミツバ?どうした?」

『もう、お別れなんですね』

「…あぁ、そうだな」

『こんなに別れが辛いなら、最初から預からなければよかった。』

「そんなこと言うな、この一週間楽しかっただろう?」

『はい…』

「なら、いいじゃないか。笑ってさよならしよう。ミツバが泣くとタカハもイロハも辛いんだ」

『でもっ、、』

「我慢できないなら今、俺の前で泣け」

『ーっ、ーぐすんっ、うあああん』

「………」

今日何年かぶりに声をだして泣いた
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