案の定、二人は一晩中起きなかった
「ママー!おはよー!」
いつもより睡眠時間が多くて寝起きがいいのかただお腹がへっただけなのかやたら早く起きたタカハ
『おはよータカハ、今日は起きるの早いね』
「お腹へったもんー」
やっぱりか、ミコトさんに言っておいでと言うと
トタトタと階段を降りて行った
眠っているイロハの顔をジッと見つめる
この子の親はいったい何処にいるのだろう
どんな人たちなんだろう
どうして一週間だけ預けたりしたんだろう
いろんな考えが頭をぐるぐると回る
ダメだ!やめよう
すると隊長がやってきて
「ミツバ、さっき綱手様から連絡があった。1時に自分の所へ連れて来てくれと」
『…わかりました』
「大丈夫だ、俺も着いていく」
『でも、二人には何て言うんですか?』
「俺が言っておこう」
隊長は…二人が居なくなっても平気なのかな…
少なくとも一週間一緒に過ごして
ましてはパパとまで呼ばれてたのに
『隊長は、平気なんですか?』
「平気なわけあるものか、できることならこの先ずっと一緒に居たい。だがそれがあの二人の為になるか?本当の両親がいるんだ、そこで過ごした方がいいに決まってる」
『でも!「ミツバ、次に再び出会う為の別れもあるんだ」……』
「大丈夫だ、な?また直ぐに会える」
『…はい、なんかすみません隊長』
「俺に迷惑かけるなんていつものことだろう、気にするな」
なんかいつもの調子に戻ってきた…
少しでもかっこいいって思ったあたしの心返せこら
再会の為の別れ
ご飯もたべサスケくんと遊んでいるタカハをイタチが呼び出していた
きっと説明をするのだろう、大丈夫だろうか
少し時間が経ってタカハが大きな瞳に涙を溢れんばかり貯めてこちらへやって来た
「ママ…今までありがとう!少しの時間だったけどミツバママは僕のママだから!」
もう、涙が流れそうになった
しかし必死に堪えた
だって、タカハも小さい唇を噛み締めて
必死に泣くのを我慢していたから
『タカハ、この一週間タカハ達のおかげでとっても楽しかったよ!これからはイロハを守れる立派なお兄ちゃんになって、イタチパパやサスケお兄ちゃんみたいな立派な忍になってね。ママもずっとタカハとイロハのママだからね!』
「うん…僕、パパとママ大好き!!」
父と母が亡くなったとき別れの悲しさを知ったと思ったのに、またこんな悲しい別れがあるなんて…
でも、隊長が言うように今回の別れは両親の時のように二度と会えないわけではない、もし大きくなった二人に会ったとき笑顔で再会できるように!
しっかり気持ちを切り替えて二人を不安にさせないように火影様のとこまで送り届けるのがあたしの任務だ
『よし!タカハ、イロハ!火影様のところに行こうか!』
「うん…」
それから火影様のところに行き
無事タカハとイロハは本当の両親の元へ帰って行った
『隊長…』
「なんだ?」
『隊長は、次に出会う為の別れがあるって言ったじゃないですか』
「あぁ」
『じゃあ、また会えますよね』
「あぁ、会えるさ。必ず」
『ふふ、あしもそんな気がしてきました!はぁーやっぱ子どもはかわいいなー』
「今からつくることも可能だが?」
『(キッ)だまれ!』
ちょっとかっこいい隊長には遠のいたけど
これはあたしへの元気付けだと思って許してあげよう!
タカハ、イロハ!ありがとうね!!