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ああ気に入らねえよ、悪いか


甘く濃厚な香りを纏うナマエのうなじに唇をよせる。くすぐったさに身を捩らせクスクスと笑うナマエ。

『兵長はやくシャワー浴びてきたらどうです?』

「…うるせぇ」

ナマエが風呂から上がった頃、ようやくリヴァイはその日の仕事をこなし自室に戻った。
扉を開けた瞬間部屋には甘く濃厚な香り満ちていて、眉をしかめる。
甘ったりぃ、それがリヴァイのその香りに対する感想だ。だがナマエからその香りがするとなるとそれは情欲をそそる香りとなる。


一日の疲れを落とすようにシャワーを浴びタオルで身体を拭き腰にタオルを巻いて#ベッドで暇そうにしているナマエの元へと歩む。

『兵長?まだ髪乾いてないじゃないですか』

「…」

珍しそうにナマエはリヴァイの顔を覗きこむ。
リヴァイはそのままナマエの頭を掴まえ唇を重ね合わせ、舌で唇を割り、ナマエの舌を捕まえる。

『んっ、…ふ、』

ナマエから声が漏れるがお構いなしに、逃げようとするナマエの舌に自分の舌を絡ませる。

ナマエは苦しくなりリヴァイの肩を叩くと、リヴァイはようやく唇を離した。


『兵長?どうかしました?』

「別にどうもしねぇよ」

明らかにどうかしている。ナマエはそう感じた。
表情の乏しいリヴァイだが、一緒に過ごしているうちなナマエは感情を読めるようになっている。だけどそれを指摘したりはしない、リヴァイが嫌な顔をするからだ。本当は指摘されると恥ずかしいからだなんてナマエは知らない。


その日の情事はいつも以上に執拗でナマエがいやいやと声にならない声でごねてもやめてくはくれなかった。勿論そのいやとは拒否の嫌という意味ではないのだけど。

朝、ナマエが目を覚ますと横にリヴァイの姿はなく寂しくなる。だが、彼が朝の鍛練に勤しんでいるのをナマエは知っている。
よくもまあ、昨夜あんな執拗に身体を揺さぶってきたのにいつも通り動けるのか。さすが人類最強…とナマエは関心しながら寝返りを打った。


ガチャと扉が開く音がして、その方向に顔をむける。

『…兵長おかえりなさい』

「ああ」

リヴァイは腕を広げてリヴァイにおかえりなさいの抱擁を強請る。
だがリヴァイはそっとナマエの額にキスをするだけで、ナマエは不満そうに広げた腕をもどす。


『兵長、昨夜からどうしてんです』

「別にどうもしねぇって」

『…だって、なんか冷たいんですもん』

「だからどうもしねぇって」

『…私なにかしました?気に入らないことでもありました…?言ってくださいよ…。さすがにつらい…』


リヴァイは眉をしかめ、息を吐く。
ナマエはため息をついたんだと思い言うんじゃなかったと後悔する。



ああ気に入らねぇよ、悪いか


リヴァイのその一言にさらに後悔の念に襲われる。


「お前、あれだけ言ったにミケに教わりに言っただろ」

『…え?』

思いもよらぬ言葉に思わずナマエは間抜けな声をだす。
もっとこう、自分への不満だとかを言われるのかと覚悟をしていたからだ。


「回転切り…お前が俺に教えろ言ってきて断ったのに、なんでミケに教わりに行ってるんだよ」

『…だって兵長教えてくれないから』

「ナマエの背格好じゃ向かねぇって言っただろうが」

『言いましたけど、やっぱり兵士として兵長がする回転切りは憧れるんですよ!』


リヴァイはまた息を吐いた。

「…お前が無茶して怪我でもしたら嫌だから言ってるんだよ。それにミケに教わるのも気に入らねぇ」


目線を反らしながら、すこし声量を落した声でリヴァイは言った。
ナマエはそんなリヴァイに笑いそうになってしまった。


『兵長、私は兵長しか見えてませんよ?』

「…」

『兵長がそう言うなら回転切りは諦めます』


ナマエはタオルケットを頭まですっぽりとかぶり、タオルケットの中で身体をクツクツと震わす。勿論それはリヴァイから丸分かりなんだけれど。

ナマエはどうしようもなくリヴァイに愛しさがこみあげた。



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