ふたりで、ひとつ
今日はお休みの日だからリヴァイの部屋に行く。
休みじゃなくても行くんだけどね。むしろ行かない日のが珍しいくらいだよね。
『リーヴァイ?』
ノックもせずにリヴァイの執務室に行くと、リヴァイの姿はなくて、とりあえずソファーに座ってリヴァイが帰ってくるのをまった。
せっかくのお休みだからリヴァイとお出掛けでもしたかったんだけどなあ。でもリヴァイ今日お休みじゃないからどっちみち無理なんだけど。
久しぶりの休みはなにしたらいいか分からなくてリヴァイと一緒に入れればそれだけでいいのにリヴァイはいないし、今日本当に何しよう。
部屋を、ノックする音がする。めんどくさいから無視をすることにした。だけど扉がひらいた。
リヴァイの部屋に返事もされずに、入るということをするのは誰だろう。勇気あるな。
開く扉を見ているとそれはよく知った人物だった。
『ミケじゃん!どうしたの!』
ミケは相変わらず身長が高くて、身長の低い私と並ぶと大人と子供のようになる。
身長が低い事が悩みだったけれど、リヴァイと出会ってからはこの身長で良かったと思った。だってリヴァイに、後ろから抱えて抱っこされたいじゃない。
ミケは鼻をすんっと鳴らした。
「ナマエ、エルヴィンが呼んでいたぞ」
『え、私今日休みの日じゃん。何かあったの』
「さあ。それはエルヴィンから聞いてくれないか。俺はただナマエを呼んでこいと言われただけだから」
『そっか。ありがとミケ』
ミケと一緒にリヴァイの執務室を出ると、ミケは少し屈んで私の側で鼻をすんすんっと鳴らした。最初は気持ち悪いと思ったけど、もはや慣れっこなので何とも思わなくなってしまった。
「ナマエはいつでもリヴァイの匂いがするな」
『………ミケってさ。』
「どうかしたか」
『いや、なんでもない』
「そうか」
エルヴィンの執務室の前にくるとミケは自分の執務に戻るといって、去って行こうとした。
エルヴィンに用があってエルヴィンに会いにきたら、そのエルヴィンに私を呼んでくるという用を頼まれたらしい。
『ミケありがとねー』
「ああ、」
『じゃ、また』
ふざけてミケに向かって敬礼ポーズをするとミケは目を細めた。
そして去り際に一言、ミケは私の耳元で喋った。
「ナマエ、リヴァイはいつもナマエの匂いがするぞ」
そして鼻で笑いながらミケは去っていった
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