私だけの臆病者 (levi) | ナノ
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もうそれ以上嫌われることはない


私はペトラが苦手だ。
ペトラは間違いなくリヴァイの事が好きで、間違いなく私を好んではいない。そりゃそうだ。誰だって好きな人の側にいる人を喜びはしないだろう。
ましてや私はリヴァイと身体を重ねているし、ペトラはそれに気づいているだろうか。朝方リヴァイの部屋からから出てくるのを見られた事だってあるし、私が毎日のようにリヴァイにプロポーズてしているところだって見られたこともある。
そりゃ好かれないよ。

明らかな私へのその嫌悪を隠してリヴァイのためにいい部下のふりをしているところが苦手だ。





「お前は何、人の部屋で寝てやがんだ」

『うーん…リヴァイが帰ってくるの待ってたら、寝てたみたい…ごめん』



リヴァイは立体機動のベルトをはずし、トレードマークのクラバットも外した。
リヴァイはソファーで寝ぼけた私の横に座った。
まだ頭がの思考回路がしっかりしていなくて、リヴァイに体ごと預けるとリヴァイは一言「重い」とだけ言った。


『リヴァイ…眠い…』

「寝てたのにまだ眠いのか」

『リヴァイいないと寝た気しない…』


今にも瞼が閉じてしまいそうだ。
いつからこんなにリヴァイが居ないとダメになったんたろうか私は。


『リヴァ…婿に……』

「行かないから安心しろ」


リヴァイは私の頭をなでる。最近はリヴァイのデレがよくでるから嬉しいな。
リヴァイのその手で触れられるのがだいすき。落ち着く。


『リヴァイ…だっこ…』

「たまには自分の部屋で寝ろよ」

『リヴァイ…』


ため息が聞こえた。その瞬間身体が持ち上がった。
横抱きで抱き抱えてくれて、何だかんだリヴァイって優しいよなあ。リヴァイのこういうところが好き。





その瞬間部屋の扉が開いた。

「兵長、遅くに失礼しま、あ、………」


ペトラだった。
リヴァイは私を抱えたまま顔色一つ変えず、遅い時間にやってきた、ペトラに対応する。
ペトラは唇を噛み締めるようにリヴァイと話していき、「失礼しました」と去っていった。
話は明日の訓練が変更になった伝達だった。




『リヴァイ…』

「あ?」

『降ろせばよかったのに』

「見られたなら今さらだろ」

『あー、うん、まあ』

「寝んだろ?」

『…うん』



リヴァイはベッドに連れてってくれて、まだやることがあるからと言って部屋を出てった。
リヴァイはいないけど、リヴァイの匂いがするベッドはとても落ち着いて、眠りの世界へと誘ってくれた。













『昨日リヴァイの部屋にペトラを寄越したのエルヴィンでしょ』

「さあ、どうだったかな」

『わざと?』

「だとしたら」

『エルヴィンは相変わらず鬼だね』

「ナマエには言われたくないな。そうだナマエ、近々リヴァイの特別班で任務がある。ナマエにも参加してほしい」

『まじ鬼…。昨日リヴァイに抱き抱えられてるとこにペトラ遭遇したんだからね。これ以上ペトラに嫌われるの嫌なんだけど』

「抱き抱えられてる…ハハッ。それはきまずいところに遭遇したな。だがもうそれ以上嫌われることはないから安心したらいいじゃないか。」



エルヴィンの鬼。
そしてエルヴィンはリヴァイはナマエにぞっこんだから大丈夫だよ。と言った。いや、そういう問題ではなくてさ。

でも正直、ペトラに悪いとは思っていない自分がいた。





そんな団長室からの帰り道、そのペトラと遭遇した。明らかに気まずいというような表情で私をみている。


「あ、ナマエさん…」

『ペトラおはよう』

「おはようございます」

『今度の任務私ももしかしたら参加するかも知れないから、そのときはよろしくね』

「…っよろしくお願いします」


じゃあね、とペトラに別れを告げようとしたらペトラが声を絞って話かけてきた。

「あ、あの。失礼を承知なのですが、ナマエさんと兵長はどのようなご関係なのでしょうか…」


ああ、それ聞いてくるか。
付き合ってはいないけど、身体は重ねているし、リヴァイのこと好きだし、婿に迎えたい関係だなんて言いたいけど、言えない、ね。



『私とリヴァイか。私はリヴァイの事がすきだよ。それにリヴァイも私の事好きだよ』


悪びれもせず、空は青いね、と当たり前の事を言うように言った。
それに嘘ではない。付き合っているとは言ってないし、私はリヴァイがすき。リヴァイも私の事好き。な、はずだし。




「あ、ありがとうございました」

ペトラは走りさるように消えていった。
エルヴィンのいう通り私も、鬼、だね。エルヴィンほどじゃないけど。


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