光輝いた綺麗な星よりも
『ねーエルヴィン…』
「だめだ」
『え、私何も言ってないじゃん』
「リヴァイに会いに旧本部へ行きたいんだろう?」
『イエス!さすがエルヴィン!』
特別任務の為にリヴァイが旧本部へ向かって2週間。寂しい。
久々にこんなに離れたから寂しさが大爆発です。
寂しさを紛らわす為にエルヴィン団長こと、エルヴィンのお部屋に遊びにきてるけどすごく暇である。
エルヴィンは書類書類書類書類で書類しか目に入ってなくて私なんかどうでもいいらしい。
一応お前の同期なんだぞ、エルヴィン。あの訓練を耐え抜いた仲じゃないか。
『エルヴィン…ひま…』
「ならこれをやって貰おうか」
『え、ちょ、』
「暇、なんだろナマエ?」
明らかに何枚どころじゃなくて何十枚もある書類をオススメしてくるエルヴィンは鬼だろうか。
しかし暇だとリヴァイに会えない寂しさが私を襲うから致し方なく手伝う事にした。
エルヴィンは毎日こんなに書類とにらめっこしているのかと思うとすごー!としか思えない。さすが団長だ。見直したわ。
『あー…終わった…』
気付いたら外は真っ暗で、肩と首がバッキバキだ。
「ナマエ助かったよ。そしてもう1ついいか」
『え!やだ!』
「聞かずに拒否をしていいのか」
『じゃあ…なに…』
「この書類をリヴァイのもとへ持っていってくれないか」
『……ッ!やだ!エルヴィンだいすき!!』
「そういうのはリヴァイに言ってやればいいだろ」
『だってリヴァイに言ったところで、黙れ、ぐらいしか言われないもん』
「リヴァイらしいな」
ハハッとエルヴィンは笑った。
明日の朝に出発すればいいと言われたけど、リヴァイに会いたいという一心で私は立体起動装置を身に付け、愛馬に跨がり本部をあとにした。
光輝いた綺麗な星よりも、リヴァイにはやく会いたいという気持ちが強かった。
2週間。そうたったの2週間しか経ってないのに俺は少し苛ついていた。
ナマエがいなくて清々するのに、ナマエがいないと寂しくも感じる自分にだ。
特別任務とは名ばかりで、本部と何ら変わらない毎日だった。
ペトラが淹れた紅茶もうまいが、ナマエと飲んだ紅茶のがうまく感じた。
気付いたらナマエが自分の中ででかくなっていて、思わず舌打ちをしてしまった。
夜が少し白くなりはじめて、また新しい一日が始まる。
部屋の扉がノックされた。誰だこんな時間に?と思いながら「入れ」と一言言うとそこにはなぜにかナマエがいた。
『リーーヴァイ!!!』
「なんでお前がここにいんだよ」
『あー2週間ぶりのリヴァイだ。落ち着く』
ぎゅうっと俺に抱きついてきて、いつも通りミョージの名字を名乗れと言ってきた。あくまでも冗談めかしに。
冗談ではないんだろうが、この関係を気に入っている。
prev / mokuji / next