『私は何回でも言うよ?』
リヴァイがなんかおかしい。
どこがおかしいのかと言われたら難しいけれどおかしい。
熱も下がって、元通りの生活をしている。
少し筋力が落ちた気がしてならないけれど、少しずつ戻そうとがんばっている。
熱を出した時、リヴァイがずっと看病していてくれたのだとハンジから聞いた。そして、人目も憚らず横抱きで運んだのも。リヴァイのそのデレを覚えていない自分が勿体無くて仕方がない気もするけどすごく嬉しい。
ベッドの上でリヴァイに後ろから抱きしめられるように一緒に寝ていて、相変わらず胸ばっか触っているリヴァイがどうしようもなく愛おしい。
『ねえ、リヴァイ』
「ん」
『ありがとう』
「どうした」
『べつにー、なんでもない』
後ろから抱きしめられているからリヴァイの表情は見えない。だけど、きっと優しい表情をしている気がした。いや、顔はいつもの顔なんだろうけど。今日のリヴァイはそのような雰囲気がだだ漏れなのだ。
『リヴァイ、すきだよ』
「ああ」
『だいすきだよ』
リヴァイは返事をくれる代わりうなじに唇を寄せた。リヴァイの唇と吐かれた息がくすぐったい。
「……おれも、すきだ」
ん?なんて言ったの?リヴァイ?
私の聞き間違いではないよね?
『リヴァイ?』
「もう言ってやらねえ」
『もう一度ききたい』
これまでリヴァイはいくら私がすきだと言っても、リヴァイが私のことをすきだと言ったことはなくて、嬉しくて嬉しくておかしくなりそうだ。
「すき、だ」
ああ、リヴァイの顔がみたい。でも、私を抱きしめる腕に力が入っていて後ろを向けない。きっと照れているのか。そんなリヴァイを想像してら思わず笑ってしまった。
「二度と言ってやんねえ」
『私は何回でも言うよ?』
「勝手にしろ」
リヴァイはおかしいんじゃなくて照れているみたいで、安心した。
リヴァイ、だいすき。
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