期待してもいいんですか
自覚した気持ちは膨らむばかりで、寝ても覚めてもリヴァイさんでいっぱいだ。
あのお食事のあと、また一回リヴァイさんとお食事に行った。今度は私も気軽に行ける酒場でこの間の少しかしこまった格好をしたリヴァイじゃなくて、いつもお店にくるようなリヴァイさんで、だけどどっちのリヴァイさんも素敵だなって思った。
リヴァイさんが、リヴァイさんが、そう、リヴァイさんがでいっぱい。
こんな気持ち初めてでどうしたらいいのかわからない。
「クソでも我慢してるようなツラしてるな」
『…っ!ちがいます…っ!』
「っふ、冗談だ」
今日はリヴァイさんがうちの店に来ている。
リヴァイさんは木の実入りのパウンドケーキを気に入ってくれたらしく、前回のお食事の時にまた食べたいと言ってくれた。
だから、次の非番の時お店にくると言ってくれて、私は張り切った。
リヴァイさんがくれたバターは大切に使っている。
リヴァイさんがくれたバターだからリヴァイさんの為に使いたいと思って。
母は何も言わなかった。むしろ、応援してくれている。私がこんな風に男の人と出かけるだなんて今までなかったから。
「…次の金曜日は空いてるか?」
帰り際リヴァイさんが聞いてきた。
リヴァイさんが空いてるかと聞いてくるなら、勿論空いている。
『空いてます!』
「じゃあ、次は金曜日くる。でかける用意しておけ」
『わかりました。じゃあリヴァイさん金曜日に。お気をつけてお帰りください』
「ああ、またな」
…またリヴァイさんとお食事に行ける。それだけで嬉しくてどうしたらいいかわからない。
『母さん、金曜日の夜いい?』
「もちろんいいわよ。…金曜日?金曜日はあら」
母がにやにやしている。
『なんでそんなにやにやしてるの?』
「だって金曜日は25日じゃない」
『25日だからなんなの?』
「…はあ。わが子ながら鈍すぎてどうしたらいいか困るわね」
『酷い言われよう…。』
「だってそうじゃない。25日がなんの日かわからないだなんて。ナマエ、25日はクリスマスだよ。クリスマスに誘ってくれるなんて、いいわね。あーあなた。私たちは二人で祝いましょ」
母にそういって父の写真に話しかけた。
25日…クリスマス…クリスマス…!?
顔が真っ赤になっていくのがわかる。
クリスマスにお食事に誘ってくれる、それはリヴァイさん、どう言うことなのですか。
期待しちゃうよ、リヴァイさん。