epilogue
壁の中の空は今日も青い。
街中から離れた小高い丘、そこに二人はいた。
『リヴァイさーん』
「なんだ」
『今日のクッキーはいかがですか』
「悪くない。だがこの前のが美味かった」
『あーやっぱりですか』
小高い丘の中央に伸びる少し大きな木、その下で二人は寄り添っている。
ナマエが作ったクッキーを食べるリヴァイ。
それを嬉しそうに見つめるナマエ。
リヴァイはいつの日かナマエに言った。
“調査兵団にいる以上、ナマエの望む通りに会ったりすることもできない。迷惑ばかりかけると思う。それでも本当に俺でいいのか”
それに対し、ナマエは
“もちろん構いません。リヴァイさんが私を好きでいてくれるなら、それだけで充分です”
あの笑顔でナマエは即答し、リヴァイはそんなナマエを抱きしめた。
久しぶりの二人きりでのおでかけ。
特に何をするわけでもなく、二人はただ寄り添ってお互いの体温を感じあう。
壁の隅で二人はそうやって幸せを感じている。