四時間目
映画みたいに雨が降りだした。
冬の時期にこんな風に雨が降るなんて珍しい。
雨のせいでリヴァイ先生の前髪がぺったりと額にくっついている。
『リヴァイ先生…?』
「ックソ」
舌打ちをしたリヴァイ先生は私の腕を掴んで、タクシー乗り場までわたしを引っ張り車に放り投げた。
突然のことに頭が追い付かなくて、リヴァイ先生もタクシーに乗り込んでどこかの住所を告げた。
重たい雰囲気が漂う車内は居心地が悪かった。私はどこに連れていかれるのだろう。
料金を払いタクシーから降りるとそこは知らないマンションの前で、私は戸惑いを隠せなかった。
『先生…ここは』
「黙ってろ」
そしてまた腕を掴まれて、リヴァイ先生はそのマンションのなかへ私を連れていく。
部屋の前でに着くとリヴァイ先生がカギをあけてなかに入る。私は部屋の前でたちどまっているとリヴァイ先生がイラついた声をあげた。
「いいから入れ」
『お、お邪魔します…』
どうやらここは先生の家らしくて、先生がタオル取って戻ってきた。
「ふけ。風邪ひくぞ」
『ありがとう、ございます』
なんとも言えない雰囲気が続く。
大人しく渡されたタオルで髪の毛を吹く。コートが濡れてくれたお陰で私は髪の毛が濡れた位ですんだ。
コートは玄関先においてある。先生が脱げと言ったから。
電気ケトルが沸いた音がして、リヴァイ先生はコーヒーカップにココアをいれてくれた。
「体冷えてるんだろ。温まるから飲め」
『先生ありがとう』
「ガキならココアかと思ってな」
『…先生酷い。もうガキじゃないもん』
「ほう、」
『もう、結婚できるしガキじゃないよ』
「そういう事を言っているあたりがガキなんだよ」
下を向いて顔を歪める事しかできなかった。
たしかに先生からしたら私は子供だ。だけど、わかっていてもそういう風に何度も言われると辛くなる。
「なんつぅ顔してんだ」
顔をあげるとリヴァイ先生の顔が目の前にあってびっくりしていると、軽く体を押されてソファーに背中を打った。地味に痛い。
『え、せんせ…っ、え、せんっ、えっ』
先生の顔越しに天井が見えて、先生に押し倒されている形になっていて、近づいてくる先生の顔に戸惑いが隠せない。
と、思ったら先生は顔を離して私の視界からフェードアウトした。
「その反応がガキなんだよ。ったく。ナマエ、それ飲んだら家まで送ってやる」
きっと私の顔は真っ赤なんだと思う。恥ずかしくてリヴァイ先生の顔を見れない。
絞り出したような返事しかできなかった。