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リヴァイは目が覚めると異様な頭の重さに思わずまた目を瞑った。
昨晩ハンジによる飲み会で酔ったハンジに無理矢理飲まされたからだ。覚えていろクソメガネ、とリヴァイは心の中で悪態をついた

昨晩の出来事を頭の中で整理するも、どうやって自分の部屋に戻ったのかが思い出せなかった。
そして確実に隣で誰か寝ている。後頭部しか見えないから誰だかわからなく、見ず知らずのやつだったらめんどくせぇな、いや、知っているやつのがもっとめんどくさいか、とため息をついた。


起こさないように静かに起き上がると部屋に散らばる洋服に目がいった。

やはりか…、とリヴァイは溜息をついた。
昨晩の記憶はを甦らそうと頑張るにもどうやっても自分が知りたい記憶は一行に甦る気配がない。


隣でもぞもぞとうごき『んっ…』という声とともにリヴァイの方に寝返りをうち、顔を向けたその人物の正体にリヴァイは目を見開いた。


「……ナマエ」

明らかにナマエは何も身に纏っていなかった。リヴァイと同様に。
少し布団がずれ、胸元が露になりリヴァイは目を反らした。普段の団服姿のナマエからは想像も出来ないぐらい豊満だった。

そもそも昨晩の飲み会にはナマエは参加しておらず、なぜこのような状況なのかますます分からなくなり、リヴァイは困惑していた。

静かにベッドから出ると散らばった服を回収し、とりあえず身につけ、ついでにという訳ではないが自分の部屋に無造作に服が落ちているのが許せなかったのだ。机の上にナマエの服を畳む。


どうしたもんかと椅子に腰かけて、胸元がはだけているナマエを見つめる。

そして立ち上がり、ナマエの身体を揺さぶった。


「ナマエ、起きろ」

『んっ……うーーん…』

「はやく起きろって言ってるだろ、ナマエ」

『…ん、あ、へいちょ……おはよ、…ござい、ます……』

薄目を開けてナマエはリヴァイに朝の挨拶をする。そしてその薄目をまた閉じようとするもんだからリヴァイは少し怒った


「アホヅラ晒してねぇでさっさと起きやがれ」

『………んー、へいちょ…まだ起きない、です…』

「命令、だ」

『へいちょ、も、一緒に寝ましょう…?』


リヴァイの腕を掴みまたナマエは目を閉じた。上官の命令が聞けないほど朝が弱いのだ。

リヴァイは困り果てた。
昨晩の記憶も甦らない、さらにその相手であろうナマエは一行に起きない。怒りを通りすぎてリヴァイは呆れた。
なぜならば普段のナマエからは想像できないからだ。普段のナマエは後輩からクールで近寄りがたい思わている。実際はただのあまのじゃくで素直になれないだけとはほんの数人しか知らない。リヴァイもまたナマエをクールで近寄りがたいと思っていた。だけど、今目の前にいるナマエは舌っ足らずな言葉でリヴァイに一緒に寝ようとせがみ、普段と違うナマエの姿に感情が少し揺らいだ。


「へいちょ…寝ま、しょ……」


そしてナマエから寝息が聞こえだした。未だに腕は掴まれたままでリヴァイはもうどうにでもなれと、またベッドに戻った。
コレを起こすのは無理と悟ったからだ。だったら起きるまで待つしかないと。

密着してくるナマエの体温がやけにあったかくて、触れたその柔らかな胸に邪な気持ちが過る。だけど寝ている女を襲うだなんて、ましてや昨晩の事が解決してないのだからとリヴァイは目を瞑った。相変わらず頭は重い。



夢の中にある鍵


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