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「言いたいことは、わかるだろ」

『も、申し訳ありませ、』


「ナマエさん、見るからにお疲れのようなのでお休みを取ってください」医療班のお偉い人にそんな事を言われたのは一週間前。
元々体調が安定しないタイプだから医務室の常連であった。いつも苦い薬を飲んで少し休めば解放されるのに一週間前は違った。休みを取れと言われた。お偉い人はこちらから 上官に伝達すると言われたので、それをどうにかして断り、自分で伝えると言われた。その際にこの書類を渡せと言われたが自室に戻った瞬間にぐちゃぐちゃに丸めて放り投げた。


そして、お偉いさんの忠告を無視し私は毎日をすごした。


「お前、その顔色どうした」

『寝不足なだけです』

「体調管理も兵士の仕事だろ」

『それは兵長に言われたくありません』

「あ?」

『兵長いつも隈酷いじゃないですか』

「これは生れつきだ」

『じゃあ、私の寝不足も生れつきです』


生意気な口をきくと兵長に頭を叩かれた。すごく痛い。

今日は気分がいい。だって兵長との訓練の日だから。リヴァイ班の一員だからと言って、兵長に訓練をつけて貰えるなんて滅多にない。


立体機動装置で空をとぶ。すごく気持ちいい。
すごく気持ちいい、がその瞬間視界がちかちかした。ちかちかして、世界が回りだした。
あ、これ、ダメなやつだ。そう思ったのが最後の記憶だ。


そして今は見慣れた医務室の天井を見つめている。体はなぜにか痛い。


「ナマエさん。だから言ったじゃないですか、なぜお休みを取らなかったのですか!」

「ナマエ、休みとはなんだ」

「…ナマエさんまさか上官に伝えなかったのですか」

「聞いてねぇぞ、ナマエ」

何も言えなくて黙り混むしかなかった。
兵長との訓練があったから休みたくなかった、だなんで。


「リヴァイ兵士長、ナマエさんは少しの間休ませてください。でないと、こんどの壁外調査への参加は認めません」

「…了解した」

「私は団長の方に提出する書類を製作して参りますので、ナマエさんが逃げないように見ていてください。」

「まあ、その怪我じゃ動くのも辛いでしょうが」と付け足して医務室の奥部屋に消えていった。


「ナマエ」

『はい…』

「言いたいことは、わかるだろ」

「も、申し訳ありませ、ん」


きっとこれで私はリヴァイ班からはずされてしまうだろう。呆気ないなあ。だったらちゃんと休んだ方が良かったのか。そんなこと考えても後の祭りでしかないけど。


「お前は当分の間訓練禁止だ。身体を休ませろ」

『…はい』

「それと、」

やっぱり、リヴァイ班からの外されるのだろうか。


「…次の壁外調査の時お前には俺の補佐をして貰うつもりだった」

『はい、』

「だが、今回はなしだ。代わりにその次の時に補佐をやって貰う。だから身体ちゃんと休ませろ。わかったな」


はい、意外言えるわけないじゃないか。
なぜだか視界が滲む。兵長はなんだかんだ優しいのだ。尊敬する兵士なのだ。


「だから、よく休めよ」


私の頭をそっと撫でた。



何よりもその言葉が


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