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なんでそんな眼で私を見るの?
私はそんな顔が見たかったわけじゃないんだよ。



兵長が、好きだ。
読めない表情の中にも感情がみえて、冷たい言葉とは裏腹に不器用な優しさがあって。
兵長の大切な部下がいなくなる度に、兵長はつらそうな眼をしている。そんな兵長に恋をしたんだ。

あなたに大切に思われたい。あなたに愛されなくていいから、大切に思われたい。

そう心に決めた。
決めてから私の決意は固かった。あまり好きではない訓練も全力で取り組みむようにした。そうすると不思議な事に好きではなかった訓練が好きになりだした。そうすると不思議なことに壁外調査で何度も生きのびれた。


気がついたら、リヴァイ班の一員になれた。

未だに実感がわかなくて、兵長と一緒に訓練したり、執務をこなしたり、ふわふわした気持ちでいっぱいになった。

ふわふわした気持ちのまま、リヴァイ班として壁外調査に出たら、今でのように行かなくて、奇行種に見事に捕まった。兵長の姿は見えなくて私はこのまま心臓を捧げるのか。とつまらない気持ちになった。

今までの、兵長への想いが無駄になってしまうから。

嗚呼、身体が動かない
痛さすら感じない

この奇行種は直ぐ様に私を食べなくて、握り締めて遊んでいる。まるで猫がネズミを捕まえた時のように、私はオモチャにされている。

その、瞬間、アンカーの音が聞こえた。



「――――ナマエッ!」

少しずつ薄れゆく意識の中兵長の声だとわかった。

兵長に横抱きにされた私は、やっと兵長に、その眼を向けて貰える、と。
頑張った甲斐あったな。ここまで来るのに、ながかったな。


『へ、ちょ……』

「なにやってんだこのクソが!」


だけど兵長の眼は私が望んだ眼をしていなくて、怒りに満ち溢れていた。

なんでそんな眼で私を見るの?
私はそんな顔が見たかったわけじゃないんだよ。

ねえ、兵長、みんなみたいにあの眼で、私を見てよ。
じゃないと、私死んでも死にきれないよ



噛み合わない想い

end.

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