junk



「…はぁ」


ぷつっ


「(暑い…)」
『………』
「………」
『………』
「………」
『………』

「…何。さっきから視線が鬱陶しい」
『別に、何でもない、けど』
「けど?」
『雲雀君、エロいなぁ…って』
「は?」
『今、ワイシャツのボタン開けたでしょ。それがエロい』
「暑いから開けただけなんだけど」
『学ラン羽織ってないし』
「暑いだけだよ」
『片方の横髪だけ耳にかけてる辺りもエロい』
「だから暑いだけ…」
『滴る汗とかも!』

「…君、僕をそういう目で見てたの」
『だって、エロいんだもん』
「それ考えてる君の方がエロい」
『私はエロくない』
「そうか。君には色気の欠片もないからね」
『いたいけなレディーになんて事を…!』
「いたいけ?レディー?…誰、それ」
『君の目の前にいる女の子のことですー!!』
「おかしいな。僕の目の前に女と呼ばれる生物はいないんだけど」
『ここにいるわ!!雲雀君は私を何だと思ってるの!?』

「…カピバラ?」

『ツッコミどころ満載だけども。これは一体どこからツッコめば良いの?』
「どこもツッコミするところなんて無いじゃないか」
『冗談に聞こえないんですけど』
「…僕は冗談が嫌いだよ」
『私もう泣きたい』
「勝手に泣けば」
『酷い雲雀君のバカ丸頭!!!!』
「うるさい死ねキスするよ」

『………』
「………」
『………』

「冗談だよ」
『えええええええ』
「何か文句でもあるの」
『だってさっき冗談は嫌いだって』
「それも冗談だ」
『えええええええ』
「でもキスはする」
『ええええ…んっ』

「………」
『………』
「………」
『………』
「………」

『雲雀君』
「なに」
『暑いですねー』
「…そうだね」


アイスを片手にする少女の額には汗が見える。
少女は気だるげに少年の隣にどかりと座り込んだ。

そんな、7月の出来事だった。






暑い日の話
2011.7

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