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『むぐ、むぐ…』
「何食べてるの?」
『雛あられ』
「ふぅん…」
『あ、分かった!雲雀君ってば、雛あられ食べたいんでしょ!!』
「別にいらない」
『ふっふーん!!残念でした!雲雀君にはあげませーん!!』
「…だから、いらない」
『え、そうなの?』
「君、少しは人の話聞いた方が良いよ」
『えー…』
「あと、雛祭りの日ぐらい女らしくしてよね」
『し、失敬な!!私はいつでも立派なレディーだよ!』
「そう?僕にはただの五月蝿い子供にしか見えないけど」
『むっきー!うるさ―――い!!!』
「そんなに納得いかないなら、僕がテストしてあげるよ」
『テスト?』
「うん。君がどれほど女らしいか見定めてあげる」
『…ふんっ!良いよ。そのテストやる』
「クス…じゃあ、こっちに来なよ」
『う、うん…』
「目、閉じて」
『…分かった』
「じゃ、これから君が女らしい反応をすれば、君を女として認めるよ」
『は、反応…?んむっ…!?』
「…」
『っ…!!』
◇
『ひ、雲雀君のバカ!!私のファーストキス返せー!!!』
「クスクス…君の真っ赤な顔、見物だったよ」
『うるさーい!!』
「でも、良かったじゃないか。これで君は晴れて女になった」
『私は元々女だぁぁああ!!!!!』
「君とのキス、甘かったよ」
『え…っ』
「あられの味がした」
『んなっ!!』
「君って単純だね。からかいがいがある」
『ムカつくー!!』
―――僕は好きだけどね。
君とする、甘いキス。
そんな、3月の出来事。
雛祭りの話
2011.3
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