未来編(過去編)
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「京平、お前は圧倒的に他の守護者に比べて経験が足りねぇ。だから、お前にはヴァリアーの本拠地へ渡りあいつらを迎えに行く役割を…」
「俺はもう雪の守護者だ。ナッちゃんが危険を冒すのに、着いて行かない訳にはいかない」

リボーンの選択を俺は真っ向から切り捨てる。
傍観は許されないと言いながら俺の力を信じない殺し屋に、俺は真摯に対応する。

「俺はこの戦いから雪の守護者として、ナッちゃんの背中を護る使命を全うする。勿論ヴァリアーを迎えに行く事が最善ならそうするけど、それは彼一人で十分だ。なら、俺は命を賭して戦う。もう、待つだけの護衛は卒業する」

そう言って俺はリボーンをその場に残し、トレーニングルームへ向かった。

「赤ん坊、京平は強いよ。僕よりもね。沢田奈月を護る事に京平は貪欲で、だから、昔の京平は沢田奈月の敵はそれこそ全て捩じ伏せて来たんだ。彼女が拐われた日が来るまでずっと、ね」

京平とリボーンのやり取りを始終見ていた雲雀は、京平が去った後、リボーンに京平の強さを語る。
その内容に、リボーンは雲雀を振り返り、じっと見上げる。

「中学の京平はナツに極力関わる素振りはなかったが?」

「それは仕方ないよ。あの誘拐事件のおかげで沢田奈月の母親に命令されれば、笹川家としては従わないといけないらしいから」

雲雀の言葉にリボーンは詳しく話せと訴える。
雲雀は面倒な、と思いつつも、これが未来の京平に任された事なので仕方ないと説明を始める。

***

「京平くん!」

バタバタとした複数の大人の足音に、奈月は叫びたくなるのを堪えて自分の幼馴染みの名前を呼ぶ。
物陰に隠れて数分。ドカッ、バキッと強打する音が聞こえたかと思えば静まる気配。

「ダメ、まだここで泣いたら前が見えなくなる…」

震える身体を両手を握り締める事で何とか耐えて、助けが来るまで何とか逃げ切る決意をする。
すると、足音もなく奈月の頭上に影がさす。
敵か、と一瞬硬直するも、続いてふんわりと頭を撫でられてそれが自分の最も信頼する幼馴染みだと理解した。

「怖い思いさせてごめんな。もう、大丈夫だよナッちゃん」

「ううん、ありがとう」

京平の謝罪に、奈月は首を振って感謝の言葉を口にした。そして、安心した様に笑い京平にそのまま抱き付いた。


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