標的2
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標的2、3〜

ナッちゃんと改めて友達になれて変わった事がある。
それは、常に上着を持ち歩く様になったことだ。
パーカー、もしくはセーター、はたまたジャージだって良い。
事ある毎に死ぬ気弾を撃たれて裸同然になってしまうナッちゃんに、着せる為だ。

先日分かったのは、バレーの試合に急遽ナッちゃんが誘われた時の話だが、膝に撃つ事に寄ってその部位の筋力を刺激してジャンプ力を上げていたのを見て、全てが服を破る現象にはならないのを知ってほっとした。



「転校生?」

「君のクラスにね」

ある日、朝の校門で服装検査していた風紀委員に応接室へ行くように言付かってそのまま行けば、風紀委員長こと雲雀恭弥がいきなりトンファーで襲ってきた。
それを軽く鞄でいなしたところで軽く睨まれたが、気にせず本題を問えば転校生の事を告げられた。

「態々恭弥さんが言うって何かあるんですか?その転校生」

大して珍しくない内容を呼び出すまでした恭弥さんに俺は素直に質問すれば、窓の外を見ていた視線を俺に戻し、

「イタリアから、と言えば分かるかい」

意味あり気に言った。
その答えに俺は成る程と納得する。

「それは物騒ですね」

マフィア関連。そう確信した事で、ナッちゃんが巻き込まれる可能性を考えて心配になった。
笑いながらもピリッとした気配を出してしまったのに気付いて、アルコバレーノに感付かれては厄介だと直ぐにそれを修める。

「相変わらず切り替えが見事だね。ぜひうちに欲しいんだけど」

そんな俺を見ていた恭弥さんが何度目かの風紀委員への勧誘をしてきたけど、俺はそれを断る。

「ナッちゃんの護衛が俺の意義です。風紀じゃない」

そう言うと、分かっていたようであっさり引いた。

「君が彼女の為じゃないと動かないのは知ってるよ。なら、分かってると思うけど、情報提供料は貰うよ」

それに俺は仕方ないと頷き返す。

「手合わせですか?相変わらずなのは恭弥さんもですよ。俺よりも兄さんの方が勝負事は喜ぶと思うんですが…」

何かある度に勝負を挑まれているが、一度も負けない俺に戦闘狂の恭弥さんが興味を示すのも分かるけど、戦闘なら俺より兄さんの方が向いていると思って勧めてみた。

「あいつとは今の所5割強で僕が勝ち越ししてる。だから、まだ勝てない君じゃなきゃ意味はない」

流石に誤魔化されないか、と俺は悟り仕方なく承諾した。元々ナッちゃんの件で黙認する代わりの勝負だ。それで色々優遇して貰ってる事もあるので此くらいはしないと割りに合わないだろう。

「分かりました」

俺の承諾の言葉に恭弥さんはキレイな笑みで頷くと、早速恭の放課後に付き合えと言ってきた。



「イタリアに留学していた転入生の獄寺隼人君だ」

翌日クラスに現れたのは恭弥さんが言っていた人物。その顔つきからして明らかに堅気の人間ではないと分かる。そして、ナッちゃんを意識して睨んでいる。どうもボンゴレが絡んだ人間のようだけど、ナッちゃんに害をなすなら見張っておくべきだろう。彼の素性は調べた限り、家庭環境の複雑さから人としての考えが少々歪んでしまっているらしい。まぁ、まだ中学生だから、切っ掛けさえあれば更正するだろうし、一概に彼に手を出す訳にはいかない。ナッちゃんはどうやら怯えてしまっている。俺が何とかしてやりたいのだけど、ボンゴレが仕掛ける試練に極力手は出すなと当主と奈々様に言われているので、今動く訳にいかないので歯痒い。
案の定ナッちゃんの机に蹴りを入れて威嚇して席に着いた獄寺君に、


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