どうせまた巡りあうよ
私は逃げている。
生徒は誰もこの場所なら知らないだろう、というところをさがしもとめて。
来る日も来る日もしつこく愛の言葉を浴び、人間不信になるんじゃないかとヒヤヒヤしている。もう耐えられない。
流石に友達もここの所私を気にしないようにしている。

「メロ、待ってたよ」

突然と言っていい程、至近距離で私を待ち構えていたコイツは朗らかに手を振りながら、ついでに私の手首をガシッと掴んだ。
痛く無いのに逃げられないところに妙な優しさ…
え、優しさだと感じてるの、わたし


「ヒッ!ゲッ!」
「やだな、今日は髭呼ばわり?髭無いんだけどな」
「違う…いいから放してって事!」
「メロ、なんで急に照れ出しちゃって。昨日だって僕達あんなに激しく――…」
「違う違う、それはあれね!トムの言葉の雨のことね!誤解を招く事はやめようね!」
「何一つ間違ってないのに」
「あんぽんたんか」
「あんぽん…?メロってやっぱり可愛いね」
「わたし、トムの脳みそが心配。とっても」

じり、と僅かな足の動きすら彼には見破られる。
「そんな逃げようとするなんて、ひどいなぁ」
「トムには逃げるなんてもんじゃ足りない。違う国に行きたい。ブラジルの学校行きたいなんか名前長いやつ」
「メロ、それ本気で言ってんの?」

ヒュゥ、と冷たい風が背中を過ぎった気がした。でも彼は微笑んでいる。
こわい。

「僕は、メロが世界の何処にいても探せるから。すこし時代がずれてても構わないな。どうせまた巡りあうよ

いたたまれなくなってトムのローブに顔を埋めた。
「誰が聞いてるか分かんない時に、よくこんな事言うよね…」
「ダンブルドアが気を利かして校内放送流せばいいね。メロ、好きだよ」
「どうして噛み合わないのかしら」
「メロもホラ、言わないとソノーラスするよ」
「もうトムうるさい、好き」





2018.05.07
(title by 朝の病)
(2011年10万hitリクエスト企画 kaiさま
リドル//甘ギャグ
なんか違う感じになってごめんなさい
でもちょっとお気に入りです)


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