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「か、ぐら……ッ」
「どうしたの?ハジメ君。そんなに辛そうな顔して……」
お前のせいだよ馬鹿という言葉をなんとか寸でのところで飲み込んだ。
もうこいつはあれだ、ヘタに逆らったら余計厄介なことになるから取り敢えず下手に出てやろうと試みる。
が、
「せめて、座って」
「嫌だ」
「はぁ?」
「その目、分かるよぉ俺。何か企んでんでしょ?何回も逃げられるわけにはいかないからさぁ?」
座ったところを膝蹴り食らわしてやろうとしたのだがバレてる。こいつ学んでやがる。
神楽がただのちゃらんぽらんではないということか。
それはそれでいいことなのだろうが今の俺にとって学習機能搭載神楽は厄介以外の何者でもない。
「っ、おい、神楽……」
いい加減にしろ、と神楽の手首を掴む。
けれど、
「待たない」
「待つ必要ないよねえ、ここ、俺の部屋だし」そう、無茶苦茶なことを言い出す神楽。
弄るように下着の中、滑り込んでくる神楽の手に全身から血の気が引く。
なんとかして引き抜こうと指先に力を込めるが、神楽は全く気にしていなくて。
ケツの穴、触れる神楽の濡れた指に心臓が口から飛び出そうになる。
デジャブ、それもあまりよくない方のデジャブだ。
「やめろって、まじッ」
慌てて目の前の神楽の腕を掴むが、躊躇いもなく体内に捩じ込まれる指にその後の言葉は続かなかった。
有り得ねえ、まじかよこいつ、流石にまずいと思って腰を引こうとすればそれを見抜かれ腰を抱き寄せられる始末で。
「っ、てめ」
逃げようとすればするほど強く腰を抱き寄せられ、逃げられなくなった下腹部へ深く、中へと入り込んでくる細い指に全身が強張った。
いつの日かのクソ眼鏡たちに鉄の医療器具突っ込まれたときに比べれば異物感はなかったが、密着した体から流れ込んでくる神楽の体温が不愉快で。
そしてなにより、ひんやりとした神楽の指に反応する自分に腹立って仕方がない。
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