天国か地獄


 02

 志摩と約束していた時間になり、自室の扉が叩かれる。

『さーいとー』

 扉越しにやけに楽しそうな志摩の声がして、俺は渋柿でも喰らったような顔で扉を開いた。
「準備できてる?」扉の前に立っている志摩は、懐中電灯片手ににやにやと笑っている。
「もちろん」俺は逃げ出そうとしている阿佐美の腕を強く掴んだまま、応えるように小さく笑った。

「まさか、阿佐美もくるの?」
「二人より三人の方がいいだろ、こういうのは」

 露骨に嫌そうな顔をする志摩に、負けじと俺は言い返す。間違えたことは言ってないはずだ。
 志摩は眉間に皺を寄せ、いやいやする阿佐美を一瞥すると大袈裟なため息をつく。

「齋籐が三人のがいいっていうなら構わないけどね。……行こうか」

 少し不満そうだったが、気を取り直して志摩は廊下を歩き出す。
 俺は阿佐美の服をぐいぐいと引っ張りながら、部屋を出て扉に鍵をかけた。
 物凄い嫌そうな顔で渋る阿佐美だったが、観念したのか俺の隣に並ぶ。

「どこいくの?」
「学校」

 小声で聞いてくる阿佐美に俺はそう答えた。「学校?」俺の言葉に、呆れたような声をあげる阿佐美。言いたいことはわかるが、俺だって本当は行きたくない。
 俺は阿佐美の服の裾を強く掴んだまま、志摩の後をついていく。

 夜の空気っていうのは、どうしてこうも生ぬるいのだろうか。
 寮を後にした俺たちは、バカみたいに大きい校舎の周りを歩いていた。

「志摩、あとどれくらい歩けばいいの」
うすぐだって。そろそろ俺のこと信じてよ」

 さっきも志摩、もうすぐって言っていたような気がする。信じてはいるが、こう何十分も歩かされると不安になるものがあった。俺としてはさっさと行ってさっさと帰りたい。切実に。
 パキパキと足元に落ちている小枝を踏みながら、俺たちは湿った校舎裏を歩く。

「あ、ついた。ここだよ」

 すると、志摩は立ち止まった。つられて足を止める俺。
 阿佐美は、『本気で入るつもりなのか』と言いたそうに志摩を見た。
 志摩は並べて取り付けられた窓のうち、一枚の窓ガラスに手を這わせ静かに開く。
 少しワクワクしている自分に呆れながら、俺は開かれた窓に目を向けた。どうやら志摩が予め開けておいたようだ。

「じゃあ、齋籐から」
「え?俺?」

 志摩に指名され、俺は戸惑う。普通ここは志摩からじゃないのかとか、色々言いたいことはあったがこんなところでもたもたしていたら終わるものも終わらない。
「わかった」俺は小さく頷き、窓枠に手をついた。
 結構高いな。登れるか不安になったが、後がつっかえてるだけあって俺は意地でも上ろうと窓枠に片足をかける。

「どう?登れそう?」
「うん、だいじょ……っ」

 背後から志摩の声がする。
『大丈夫』そういいかけて、支えようとする志摩の手が俺の尻に触れた。

「なに、さわ……っ」

 あまりにも生々しい手付きに、思わず俺は窓枠を掴んでいた手を離してしまう。

「ちょ、うわっ!」

 バランスを崩した俺は、校舎の中に倒れ込んだ。

「ゆ、ゆうきく……」

 背後から慌てた阿佐美の声が聞こえると同時に、俺は床の上に落ちた。
 幸い窓際にはなにもない。強打した背中に鈍い痛みが走る。
「大丈夫?」窓の外から笑いを堪えた志摩の声が聞こえた。

「……お陰さまで」

 文句をいう気にもならなかった。俺は「いたたたた」と呻きながら起き上がる。どうやらここは空き教室のようだ。
 薄暗い室内にはいくつかの机が積まれていて、あまり使われていないのか部屋全体が埃っぽい。

「まさか、落ちるなんて思わなかったよ。ごめんね」
「……」

 難なく窓から教室に入ってきた志摩は、爽やかな笑みを浮かべる。不思議と謝られている気はしなかった。
 志摩に続いて阿佐美も普通に教室に上がってくる。なんか俺だけがバカみたいで、なんともいえない気持ちになった。

「佑樹君、怪我ない?痛くない?大丈夫?」

 慌てて俺の側に駆け寄った阿佐美は、慌てふためく。
「だ、大丈夫だよ」あまりにも心配してくれるものだから、俺まで狼狽した。

「取り敢えず、移動しようか。いまの物音で誰か来たらやばいし」

 誰のせいだと思ってるんだ。俺は志摩の言葉にむっとする。
 よく考えると俺が勝手に落ちたのだから文句は言えない。
「わかった」腑に落ちなかったものの、俺は志摩の言葉に頷いた。

「なんか夜の学校ってだけでも雰囲気あるよね。そう思わない?」
「……そうだね」

 持参した懐中電灯を手にした志摩は、楽しそうに笑いながら廊下を照らす。今朝『怖いのは嫌い』だとか言っていたのはどの口だろうか。
 静まり返った廊下に、俺たちの声と足音が響く。
 俺の想像では阿佐美がビビって『帰ろう』と駄々を捏ねそのまま解散するはずだったのだが、どうしたことだろうか。
 俺の隣を歩く阿佐美は駄々を捏ねる所か至って冷静だ。というよりもしかしてこの状況でビビってるのって俺だけだったりするのだろうか。これは非常によろしくない。

「ねえ、志摩。その幽霊ってどこに出るの?」
「あれ?言ってなかったっけ。いろんな場所で見られてるからそういうのないんだよ」

 ということは、その幽霊が出てくるまでグルグル校舎を回るってことだろうか。冗談じゃない。じわじわと顔が青ざめていく。

「あれ、もしかして齋籐怖いの?」

 志摩はにやにやと笑いながら、横目で俺を見た。
 幽霊が怖くないやつなんているわけないだろ。そう言いたかったが、俺の中の見栄っ張りな部分が反応した。

「別に、そういうのじゃないけど」

 いいながら、俺は志摩から顔を逸らす。少し語尾が強くなり、言い方が冷たくなってしまった。
「へえ、そりゃあ頼もしいなあ」志摩は相変わらずにやにやと笑いながら言う。なんだか見透かされているようで複雑な気分だ。

「やっぱり、幽霊が出ると言ったら相場保健室だよね」

 そんなことを言いながら、志摩は保健室の前で立ち止まった。扉に手をかける志摩。案の定、扉には鍵が掛かっており開かない。

「……あれ」

 志摩は不思議そうに首を捻り、再び扉を開こうとした。……もちろん開かない。
 志摩は大袈裟に肩を竦める。

「誰だよ閉めたやつ」

 その口ぶりからすると、どうやら志摩は予め空き教室同様鍵を外していたようだ。
 それを閉められていたらしく、志摩は面白くなさそうな顔をする。そんな志摩を横目に、俺はホッと息をついた。

「……俺たちよりも先に、誰か来たんじゃないのかな」

 阿佐美はさっき通ってきた廊下に顔を向けながら、そう呟く。
 志摩がいつこの扉を開けたのかにもよるが、どちらにせよ阿佐美の言葉の通りだ。

「……じゃあ、もう帰った方が……」
「まあ、開けておいたのは保健室だけじゃないからね。取り敢えず全部回ってみよう」

 俺の言葉を塞ぐように、気を取り直した志摩はそう続ける。
 どうやら、意地でも校舎は回るつもりらしい。勘弁してくれ。

「次は一年の教室ね、教室」

 いいながら志摩は歩き出す。
 いますぐ帰りたかったが、ここまで来て一人なるのも嫌だ。俺は慌てて志摩の後についていく。

 ◆ ◆ ◆

「みんな閉まってたね」

 右隣に並ぶ阿佐美は笑いながら俺に話しかけてくる。俺の左隣に並んでいた志摩は、目を細め阿佐美を睨んだ。
 やめてくれ、そんなこと俺に言わないでくれ。温度差が酷い二人に挟まれて歩く俺は、もういろんな意味で生きた心地がしない。
 阿佐美の言った通り、一通り校舎を回ったがどこもきっちり戸締まりがされていた。
 肝心の幽霊もいないし、肝試しは散々な結果で終わる。すっかり不機嫌になった志摩は、さっきから黙り込んだままだ。

「まあ、仕方ないよ」

 俺はムスッとする志摩を慰めるように阿佐美に答える。
 志摩は相変わらず仏頂面を浮かべていた。気まずい。
 俺としてはなにもなくてよかったのだが、志摩としてはそうはいかないようだ。

「俺、ちょっとトイレ」

 廊下の突き当たり。
 志摩は立ち止まり、そのまま男子便所へと入っていった。

「……俺も」

 阿佐美は志摩の後を追うように、男子便所の中へ入る。予め部屋の便所で用を済ませていた俺は、便所の外で二人を待つことにした。

 静まり返った廊下に、ぽつんと佇む俺。やっぱり俺も便所に行こうか。段々と心細くなり、俺は便所の前を彷徨く。
 その時だった。自分の足音の他に、遠くから複数の足音が聞こえてくる。
 だ、誰かくる……。
 俺はふと立ち止まり、耳を澄ませた。段々とその足音がこちらに近付いてくる。
 どうしよう。俺は便所と目先の廊下を交互に目を向け、固唾を飲んだ。
 額に冷や汗がじわりと滲む。
 どうしよう。誰からか答えが返ってくるわけじゃないのに、俺は何度も自分に問い掛けた。
 廊下の奥から、俺の足元に一筋の光が向けられる。懐中電灯だ。

「……誰だ?」

 気がついたら、俺は走り出していた。そりゃあもう脱兎の如く。
 心の底で志摩と阿佐美に謝罪をしながら、俺は複数の足音からできるだけ遠ざかろうと走った。
 自分の薄情さには熟呆れさせられる。俺の足音がバタバタと煩く廊下に響いた。


「は……っ」


 暫く走った俺は目についた階段を駆け上がった。辺りに人の気配がないのを確かめ、俺はようやく息をつく。
 まさか、自分達の他にも誰かがいるなんて思ってもいなかった。
 爆発しそうなくらい鼓動が煩くて、俺は手刷りを掴んだままその場にしゃがみ込む。

「……」

 数回深呼吸を繰り返した俺は、静かに廊下を見渡した。手元に明かりすらないせいか、なにも見えない。
 ……どこだっけここ。
 真っ暗な廊下に一人きりになってしまった俺は、ようやく自分の立たされた状況に気がついた。

「……」

 落ち着いて志摩たちの所へ行けばよかったものを、なんでこう自分からややこしくしてしまったのだろうか。暗闇の中、俺は激しい自己嫌悪に襲われた。
 もう一度便所に戻ろうか。いや、でもさっきの人達がいたらそれはそれでちょっと怖いし……。
 一人悶々とジレンマに陥る俺は、取り敢えずその場で時間を潰すことにした。
 数分経ったら志摩たちと再会しよう。そしたら、大丈夫だろう。いろいろ。
 軽く混乱する頭の中を整理しながら、俺は一人納得するように頷いた。


 数分後。
 人気のない廊下で一人そわそわしていた俺は、手探りで手摺を掴みながら静かに階段を降りていく。
 便所から階段まで結構走ったような気がするが、きっとすぐ便所に辿り着けるはずだ。自分に言い聞かせるように呟き、俺は一段一段段差を踏みしめる。
 なるべく違うことを考えながら階段を降りていく俺。なのに、背中には自然と冷や汗が滲んでくる。こんなことなら志摩の懐中電灯でも借りればよかった。うっかり段差を踏み外さないように気を付けながら、俺は無事階段を降りきることに成功した。
 ほっと一息ついた俺は、目を拵えながら足音を立てないように廊下を歩き出す。

「……から、……って」

 どこからか微かに声が聞こえ、俺はふと足を止めた。
 背筋が凍りつき、俺はその場で固まる。
 誰かいるのだろうか。俺は隠れるように壁に背中をつけ、息を殺す。声の持ち主とはだいぶ離れているようだった。
 しかし、遠くから足音が近付いてくることに気が付いた俺は忍び足でその場を離れることにする。
 早く、志摩たちに会わなきゃ。そう焦れば焦るほど鼓動が早くなる。
 いま自分がどこを歩いているかわからない状況で、俺はただひたすら志摩たちと別れたあの便所を目指して歩いた。

「……」

 どれくらい経ったのだろうか。便所が見当たらない。
 というより、辺りが暗すぎてどこがどこの扉なのかさえわからない状況だ。
 こうなったら自分だけ帰ってしまおうかと企んでみたものの、あの空き教室にどうやって行けばいいのかさえわからない。

「……ううっ」

 あまりの心細さに挫けそうになる俺。この際幽霊でもなんでもいいから誰かと会いたい。……やっぱり幽霊はいいや。そんなことを思いながらも、俺は歩き続けた。
 もしかしたらもう何度も便所の前を通り過ぎているのかもしれない。あり得ない話ではないだけに、俺は段々不安になってくる。

 その時、ふと遠くから複数の足音が聞こえた。もしかしたら、志摩と阿佐美かもしれない。それとも、先ほどの別の集団か。もうこの際誰でもいい。
 俺は固唾を呑み、足音が聞こえた方に向かって歩き出した。
 確かこのあたりから足音が聞こえたはずなんだけど……。
 俺は辺りを見渡しながら、先ほど足音がした場所の付近を歩いていた。しかし、人影は見当たらない。
 まさか本当に幽霊とかじゃないだろうな。ふと、そんなことを考えてしまい俺は慌てて頭を横に振る。
 俺のバカ。幽霊が足音立てるわけがないだろう。そういう問題ではないような気がしたが、俺は必死に自分に言い聞かせた。

「だから幽霊なんて居るわけねえだろ、お前はバカか!」

 ふと、近くから怒声が響く。それはいきなりのことで、俺はビクリと肩を震わせた。
 聞き覚えのある声。一瞬心臓が停まった気がする。俺はドキドキしながら、声がする廊下の方に移動した。

「いや、だって五味さん、まじで居たんだって。一年のやつが騒ぎまくってたし」

 さっきの怒鳴り声とは別の声が聞こえた。
 五味さん?
 どこかで聞いたような名前に、俺はふと足を止めた。

「んなわけねーだろ!大体、夜中に忍び込む方が悪い」

 そうだ、この声は五味と十勝だ。様子からして、二人はなにか揉めているようだった。
 どこかイライラしたような五味の声がし、足音がこちらに近付いてくる。
 廊下の突き当たりに立っていた俺は、二人に声をかけようか戸惑った。なんか揉めているようだし、どうしよう。壁に背中を預け、なんとなく俺は身を隠した。段々近くなる足音に、俺まで緊張してしまう。
 五味たちの足音が、数メートルぐらいまで近付いたときだった。

「なにをしている」

 背後から低い声がした。

「ひ……っ」

 あまりの不意打ちに、口から心臓が飛び出そうになった俺は思わず声を漏らす。慌てて振り向けば人工的な明かりで照らされ、目が眩んだ。
 いつのまに……っ。
 度肝を抜かされた俺は、逃げるように後ずさった。

「うわっ!」
「……っ?!」

 たまたま後ずさった先には五味がいて、俺は気付かずにそのままぶつかる。

「は?なに?なんなの?」

 驚いたような十勝の声が聞こえた。

「いってー……」
「す、すみません!」

 耳元で五味の呻き声が聞こえ、俺は慌てて五味から離れた。
 同時に、向かい側からやってくる人影に懐中電灯を向けられる。

「大丈夫ですか」

 高揚のない淡々とした声。懐中電灯を手にした灘は、眉を潜め俺たちの方に近付いてくる。
 どうやら先ほど俺の背後にいたのは灘だったようだ。

「ああ、俺は大丈夫だ」

 五味はそう答えた。というか、なんで生徒会役員がこんなところにいるんだ。次々に現れる顔見知りに、俺は少し戸惑う。

「……お前、齋籐か?」

 懐中電灯に照らされた俺に目を向けた五味は、呆れたような顔をした。
 どうしてお前がここにいるんだと言わんばかりの眼差しに、俺は口を一の字に紡ぐ。

「こんな時間になにして……」
「き、肝試ししてたら、友達とはぐれちゃって……」

 あまりの気まずさに、俺は口ごもる。

「もしかして、佑樹も幽霊の噂聞いたとか?ほら五味さん、やっぱりまじだったんだって!」
「お前は黙ってろ!」

 俺の言葉にはしゃぐ十勝に、五味は眉を潜め怒鳴った。その声にビクリと反応してしまう俺。
「五味さんひでー」叱られた十勝は、大袈裟な泣き真似をしてみせた。

「とにかく、こいつ連れて寮に戻るぞ」

 五味は十勝を無視し、俺の肩を掴みながら灘に目を向けた。

「いいんですか?」
「あとは風紀のやつらに任せとけ」

 五味は無責任なことを口走りながら、歩き出した。

「え、あの……っ」

 まだ志摩たちと会っていない。先に帰ってしまっていいのだろうか。戸惑う俺は、五味の方に目を向ける。
 しかし、声が届かなかったのかそれとも聞こえなかったフリをしているのか五味はなにも答えず俺を無理矢理歩かせるばかりだ。

「そーいや佑樹、肝試し友達と来たって言ってたけど誰と来たわけ?」

 適当な雑談を交えながら昇降口に向かって歩いていた俺たち。ふと、十勝は思い出したような顔をして聞いてきた。

「志摩と阿佐美だけど……」
「あーね」

 一瞬言おうか迷ったが、ここで隠した時点でなにかあるわけではないし俺ははぐれた二人の名前を口にする。十勝はなにか納得したように頷いた。

「ってことはもしかして、教室とかの鍵開いたのも佑樹たちだったりするわけ?」
「そ、それは……」

 多分、というか間違いなくそれは志摩の仕業だろう。
 どこかうんざりしたような十勝の口調からして、志摩が開錠した扉の施錠をしたのは十勝たちのようだ。俺はなんと言えばいいのかわからず口ごもる。

「見回りってだけでもダルいのに、戸締まりすんの大変だったんだからなー」

 嫌に絡んでくる十勝に、俺は苦笑いを浮かべる。
「お前はなにもしてないだろうが」懐中電灯を手にした五味は、十勝を横目に呆れたように言った。

「あー、せっかく俺の好感度上げてたのに!」
「んなもん上げる暇があったら黙って仕事しろ」

 言いながら五味は手に持っていた懐中電灯を十勝に渡す。五味のもっともな言い分に、俺は十勝のフォローを諦めた。

「なんすかそれ」

 懐中電灯で廊下を照らしながら不満そうな顔をする十勝。言いながらも素直に懐中電灯を手にしているのが少しだけ可笑しかった。


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