film review

● サバイバルファミリー
静かに電気が止まった。全世界で。電力を用いるもの、携帯電話、パソコン、音楽機器、電池式のもの、時計、懐中電灯、全てが停止してしまった日常で、ある4人家族が鹿児島までサバイバル旅行に出かける。

最新作です、最近劇場での鑑賞もしています、むふむふ。
まず最初に、笑えるようなおもしろい映画ではない。(思わず笑うところはある)

簡単にまとめると、なんか原因はよくわからないけど、朝起きたら、電池と電気を使う製品が全て完全に止まっていた!という話。日常が静かにカタストロフィに飲まれてゆき、少しずつ状況が悪化する中、ようやく動き出す父。家族総出で自転車を使って空港に行き、飛行機に乗って鹿児島まで行くつもりが、もちろん飛行機は動かない。移動距離が徐々に伸びていき、結局目的地はチャリンコで鹿児島!

うほ〜〜〜。小日向文世が父、深津えりが母。子供役は知らん。都会の問題がある核家族っぽい。父は家庭を顧みず、いつもイライラしてる。娘は高校の友達に仲間はずれにされたくないちょっとおばかな子。兄は寡黙、いざというときは父より頼りになるが、静かな性格のため、目立たない。母は、唯一家族のためを考えて色々試行錯誤する。

この映画見て思うのは、アルマゲドンというか、こういうカタストロフィが起きたらどうしようという、焦燥感(今かよ)。東北の震災の時も、熊本地震の時も、備えがあるのと無いのとではきっとだいぶ違うだろうなと思ったよね。鶴井は苦しまずにぽっくり逝ければ未練はない。でも苦しいのは嫌だ。そういう意味で映画の中の人たちが気づくまでのじわじわ感て結構えぐい。長期の停電だと思ってみんななかなか策を講じないのね。
人工的な混乱も怖いなあ。情報が一切入ってこないことに対する不安、不安が人々を理性のかけらもない獣にする。「行政が仕事してない」「安全なところはどこなのか」とわめき散らす。気持ちはわかるのだが、非生産的であるし、ストレスの元になる。非常時には冷静でいたいとおもう(まじめな顔つき)。作品中では市民の混乱の描写がある。あな、おそろし、と縮み上がった。まあ日本は治安がいい方だろうけど、やっぱ暴力は怖い、良くない。

この映画はあんまり深追い?追求しすぎてはいけない、結構鶴井的には役作りと設定が徹底されていないと感じる部分があった。ストーリー面と言うより、技術面?だから、そこまで私は気にならなかったんだが、まあそれでも、後々思い返すとう〜〜ん?とは感じる。

ストーリーは良かった。見て損はない。十分に誇張された核家族構造と、一人一人の存在感がいい感じ。日本人的な情緒が多く、感情移入できる場面が大いにある。どんな宣伝文句なのかわからないが、あらためておもしろおかしい映画ではないことを伝えたい、あれは完全なるサバイバルドラマ?である。久しぶりに邦画でいい作品見たわ、見て良かったよ。


最後に、お父さんの頭に注目。
2017/02/17 00:07

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