film review

● エスター
3人目の子供を死産したことから孤児院の子供を引き取る決断をしたコールマン夫妻。9歳のロシア人エスターは賢く、独創的でな女の子で、すぐに夫妻と打ち解け、娘マックスとも仲良くなった。しかし個性的な服装、彼女の身の回りで起こる事件・事故、あまりに不自然なため、妻ケイトは調べ始める。孤児院の管理者シスター・アビゲイルは撲殺、エスターの同級生ブレンダも滑り台から落ち、ついにエスターの義兄ダニエルもツリーハウスから転落し、徐々に彼女の身辺についてわかってくるのだが…。

ヤフー映画レビューみたいなサイトでも高評価だったエスター。最強におもしろかったです。てか超怖いw分類としてはホラーではなく、サイコスリラー映画になるんですが、(実際ダミアン的な怖さを孕んでいるわけではない)怖いのは怖いんで、このレビューブログではまとめてホラーに入れておきます。悪しからず。

さて舞台はくっそ寒い時期のアメリカ。ホントはちょっとギスギスを抱えているものの、子供のために、そして自分たちのためにいい夫婦であろうとしている、コールマン夫妻。人目の子供ジェシカを死産し、心に陰を抱えていたケイトは旦那のすすめで孤児院から居子供を引き取ることに。そこで出会ったのは、到底9歳の知能、想像力とは思えない少女エスターだった。最初のあたり、エスターは人の気持ちをくみ取れるかなり賢い9歳児だなあ、なんて思ったのですが、後から改めて考えてみるとすごく演じているのがわかります。あれは本当の姿ではないのですから…。

さてエスターはかなり個性的です。日常生活でもドレス、手首と首にリボン、歯医者嫌いで、お風呂の時は必ずバスルームを施錠します。このあたりも回想すると理由がわかるんですけどね。そういう個性から、同級生にはいじめられます。いじめの主犯の子を突き落とし、様子を見に来たシスターをマックスの手を借りて殺し、ツリーハウスに放火。ダニエルはツリーハウスから転落して重傷を負う…全部犯人はエスターこの作品は文句なしに怖いので、自分の目で見てもらいたいとおもうがゆえに、はしょります。(最後の方にネタバレしてますが)

ここまでして猟奇殺人鬼とかではないんです。(精神疾患ではあるんですが)目的は最後にわかります。ところどころ、彼女がいらついている場面も、思えばそういう目的のため、否応なしに囚われていたのだと思うと感情移入してしまうところもあります。

悪の教典という邦画、知ってますかね?胸くそ悪くなる映画なんですが、いわゆる共感能力がない、サイコパス先生が学校で暴れまくる話なんですね。おそわれる学生視点でも話は展開するんですが、7割方先生視点でも話が進んでいくんですよ、あれを思い出しました。この映画はエスター視点での描写が多いんです。エスターのえぐり出された人間の本能の部分、渇望したものが、まざまざと、現れているんですよ、んふふふふふ


こっからがちのネタバレなんですが、


エスターは結局のところ9歳児ではありません。33の大人の女性なんです。ホルモン異常で体格が9歳で止まっています。そういう意味で、彼女はとても孤独でした(たぶんね)。子供姿のため、男性からは見向きもされず、一人の女性として抱かれることもないままだったんです、彼女のいらだち、憤り、母ケイトに対する嫌みな態度、父ジョンへの執着全て筋が通ってくるんですよ、恐ろしいことに…。是非見ていただきたい。すばらしい映画。んふふふふふふf(死んだ)
2017/02/14 23:24

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