film review

● アルファ・ドッグ 破滅へのカウントダウン
親子で麻薬ディーラーとして生計を立てるトゥルーラブ家。父が卸したマリワナを息子ジョンが知り合いのドラッグ中毒に売り渡すというシンプルな取引をしていた。ところがある日、ジョンの取引相手ジェイクが金の回収に失敗、あげく金を貸してほしいと要求される。これに激怒したジョンは銃を使い首をそろえて返せとジェイクを脅す。一方のジェイクは脅されたことに腹を立て、後日ジョンの家を襲撃。報復に報復で返すため、ジョンはジェイクの腹違いの弟ザックを誘拐する。兄を見て育ったためかワルにあこがれがあったザックは過保護な母から逃れられたため、ジョン一味に反抗することもなく、数日間彼らと過ごす。しかしザックの両親が誘拐事件として警察に通報し、ことは次第に多数を真巻き込み大きくなってゆく…。

いやーーーーん!!!ジャスティン(JT)でてるやーーーん!!と思って借りたらさ、結構、ひどい話でショック受けたよ、我は。出てくる俳優陣はヤリチンとドラッグアディクションの芝居がまことにうまい。ヒスパニック系の人はああいう良くない仕事に就くことが多いんだろうな…なんて言うか、シャバにチンピラが手を出しちゃいけない犯罪に手を出しちゃうんだね。

出てくるのは20代前半くらいのろくに仕事してないドラッグディーラーとその取り巻き。ジョンはチビだけど端整な顔立ちらしく、女にはもてる(たぶん)。父にもらったドラッグで取引して中毒者から金を巻き上げてる。フランキー(JT)は全身入れ墨入れていて、家で父がマリファナを育てるほど。エルビスは下っ端の下っ端。ジョンに金を借りていて、返済のために家の雑務を全部やって挙げる(くらいジョンが好き)。

ただのドラッグ映画ならあーくずだな〜でいいんだけど、この誘拐事件のせいで、15歳の少年の命がなくなっている、本当に。じつは実際にあった事件を基に作られてるらしく、公開当時はまだ主犯のジョン(本名ジェシー)の判決がおりておらず、ゆえに日本では公開されていないンだとか。劇中の最後にテロップでジェシーは現在公判中である…って出るんだけど。うおおおお、こっわ!っておもったよね。

キャストはブルース・ウィリス、シャロン・ストーン、JT。なかなか豪華だと思う。シャロン・ストーンって何に出ていただろうと調べたら、トータル・リコールに出てたのね!!彼女の演技はすばらしかった。誘拐されたザックの母親役。特殊メイクをしていて、なおかつインタビュー形式の映像だったんだけれども、終盤、亡くなった息子ザックと事件の発端である兄ジェイクについて言及するのよ。痛々しいし、失意のどん底で狂気と出会ったような表情。(劇中の、ではなく)本当の母上の映像かと思ってしまうほど。
ブルース・ウィリス最近悪役しか見てないんだけど、わたしの選択ミスかしら…?かっこいいハゲを演じた作品をそろそろ拝みたいぞ。悪人面なのはわかるけどもな。

胸くそいい映画ではない。むしろああ、やっぱり血も涙もない方法で命を奪うんだな、と性悪説を立証したくなる。でも見た方がいい。この映画にはエンターテインメント性はないが、伝えたい事柄がある。自分には縁遠い世界かもしれないけど、こういう人がいて、銃社会があるってことを、日本人もこれから知るべきかもしれない。
2017/02/01 21:49

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