film review

● トロン
トロン:レガシーってのが結構前にリリースされて、話題になりましたよね。今回はトロン(オリジナル)です。1982年の映画です。

自分が開発したゲームの権利を奪取するため以前の会社エンコムにハッキングするケヴィン・フリン。このハッキングが原因で、MCPというプログラムがユーザーのコンピュータへのアクセスを全面禁止してしまう。エンコムの社員アランとローラはフリンに警告すべく、彼の経営するゲームセンターに足を運ぶが、真相を聞き、このままではMCPが暴走すると予想。社内からアクセスし、MCPの削除を図ることにした。しかしローラの研究・物質移転装置によりフリンがコンピュータ内に取り込まれてしまう…。

鶴井結構こういう話好き。本来意志を持つはずのない物が擬人化されて人の目の届かぬところで文明が構築されている…。バグズ・ライフとセーラームーンにはじまり、マトリックスやらファウンデーションシリーズのガイアもそうかな。

ちなみにトロン:レガシーはフリンの息子が父を捜しに(3000里ではなく)電脳世界に飛び込んでいきます。オリジナルから見たらだいぶCG感が抜けていますね。独特の光のラインが印象的でしたが、オリジナルとは格好が少し違う感じがしてしまいました。ある種進化なのでしょうが…。

この話は、ある種寓話的側面があるように感じました。プログラムにとってユーザーは自分だけの(あるいは不特定多数の)絶対的な神様。プログラムたちが起こした事象はすべてユーザーの想定の範囲内のことであるはずだと、トロンは語っていました。プログラムがおのおののユーザーと交信できるのは、超常の力ではなく、ありふれた感受の力なのですね。またプログラムはバグを起こし、誤作動を起こしますね、そう言うところ、まるで人間のようではないですか!?人間と神の繋がりをプログラムとユーザーという形でうまく表現しているように思います。私は神論者ではないのですが、なるほど聖書の著者や神論者は人間側から見た神との契約について言葉を記している…逆取扱説明書ではないでしょうか(笑)

オリジナルでは敵サークが思考するプログラムの出現に恐怖?を抱いていた(サークはかつてユーザー信仰者であった上MCPの操り人形なので思考することはない)のですが、レガシーでは、この「思考する」という進化の流れを組み込んで?なのかな?偶発的なんだか必然的なんだかでISOと言うデジタル生命体が誕生したようです。人工的なプログラムに思考の自由がないのだとすれば、ユーザーを必要としないISOは思考するんでしょうかね〜。コンピュータには詳しくないのですが、そのあたりロマンですね。

画面の暗さ?チカチカする見苦しさはありましたが、当時のCG技術としては確信的だったんだろうなと思います。CGを想像して創造した、そんな感じがします。回路の中はきっとこんな風で、どんな要素がその内部を駆け巡るのか…作り手は楽しかったのではないかと思います。レガシーを酷評する方もいますが、私はトロンはシリーズとしてどちらも好きでした。
2017/06/15 22:11

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