film review

● イルマーレ
今までロマンス映画のカテゴリ作ってなかったことに我ながら驚愕していました。結構観てるはずなんだけど。ステイフレンズ、抱きたいカンケイとか、そうだしね。
さて、今回観たのはキアヌ&サンドラ・ブロック主演のイルマーレ。原作は韓国のロマンス映画で、ハリウッドのリメイク版らしいです。それではいってみましょう。

湖畔の家を去ってシカゴへと移住した医者のケイト。誤って元の住所に手紙が送られてこないよう、返送のお願いを頼む手紙をポストに入れた。後の住人が読んでくれることを願って。しかし彼女の手紙を受け取ったのは後の住人ではなく、「彼女の前の住人」であるアレックスという建築家の男だった。2006年のボストンに住むケイトと2004年の湖畔の家に住むアレックス。彼らの住処を基点に二人は遠くて近い存在になっていく…。果たして二人は時を超えて、会うことができるのだろうか?

いわゆる、タイムパラドクス(時空のねじれによる矛盾)を題材にしたロマンス映画だね。結構あるよね、最近話題になった君の名は。もそうだし、時をかける少女、とか医療ドラマだけどJINー仁ーもね。君の名は。とはだいぶ関連性のある話だと思ったよ、特に手紙(ライン)を介してお互いやりとりするところ、顔を知ってるけど、直接思いを伝えることがほとんどできないところ、パラドクスを超えて片方の命を助けようとするところなど。残念ながら私は個人的に君の名は。が好きでないのでこれ以上は話さないけど(笑)

この映画で手紙はとても大事な要素の一つ。二人を導き合わせた出来事であり、二人が唯一お互いを知るための道具である。また届く(どちらかがポストに投函する)までの時間はまさに恋文を待つと同じくらい恋しい時間を表しているのだろうと思う。ケイトは都会の医者でかなり忙しいため、手紙を投函するまで結構時間を要したであろう描写が見受けられる。このとき既にアレックスは直感的にケイトが気になっていたようだから、むずむずしていたに違いない。

アレックスもケイトも「(時間を超えるなんて)こんなことってあるの?」と戸惑い、ケイトは母にまで相談するのだけど、母は強し。「(時間なんて)些細なことよ」と言ってのける。つおい。実際ケイトもアレックスも何年たっても忘れられないのである。時は超えられるのかもしれない、本人次第かな。

そしてもう一つ、この映画で重要な役割を果たすのが、犬のジャックである。女の子なのにジャック。なんて言うか、ジャックがいなかったら二人は要所要所でヒントを得られないのである。「ほら、いま手紙がとどいたよ」「ここで彼女と出会うんだよ!」などの誘導がうまい。ふたりの運命をうまいこと修正してくれたのかも。そしてちょっと、ケイトの性格を投影した外見。寂しそうな目、成犬にしては少々細身に見える体格、ちょっとやつれて見える毛並み。なんか、いつも孤独なケイトの心の化身かしらなどと思わせる風貌である。

ただ、ちょっと気になった点はある。最後まで観て頂ければ分かるんだけど、ケイトの元ボーイフレンドのモーガンが結局どうなったのか、ってこと。ネタバレになるので言わないけど、モーガンはボーイフレンドと思わせておいて実はケイトとは腐れ縁だっただけじゃないかなと思うの。モーガンはケイトのこと好きだったんだろうけど、ケイトはアレックスを自分の心から追い出したためにぽっかり空いたあなに、モーガンで栓をしたんじゃないかと思う。それにしてもモーガンは不釣り合いだった。
10歩先をいって彼女をエスコートするより、埋められない物理的障壁があっても「一緒に散歩しに行こう」と言ってくれるアレックスのほうがいい男だ、と私は単純に思うから。歩幅を合わせられないなら、一緒に歩く資格はないのよ。

さて、イルマーレの原題はThe Lake House(湖畔の家)。イルマーレは原作の海辺の家の名前であり、映画の中で出てくる人気のレストランの名前も同じ名前なんだな。それで邦題もイルマーレになったと言うことのよう。しかしながら、「湖畔の家」で良かったんじゃない?とか思う。海出てないし。イルマーレなら検索してヒットしやすいけど、どうなんだろ〜。

感想としてはおもしろかったよ。胸アツ。ムネ熱。特にアレックスが一緒に散歩に出たときにきみとずっと一緒にいるよって書いておいたシーンはじーんときたね。ケイトはきっとこれを待っていたんだろうなと分かった。使われている音楽もレトロで歌詞が表現に富んでて好き。わざわざプレイリストにしたくらい。ちょっとロマンチックな恋愛映画を観たいという人にお勧め。ごちそうさま。
ジョン・ウィック2が7月に公開やで!!!
2017/05/13 19:18

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